【 朝礼の時に読まれた話 】
今日の心がけ(雑誌:『職場の教養』より引用)
(詳細文章を読む時間のないときは、このひとことだけでも心に刻んでみませんか?)
- 2012.12.24
- 『 同じ釜の飯 』
- 2012.12.23
- 『 明るく元気に朗らかに 』
- 2012.12.22
- 『 念には念を 』
- 2012.12.21
- 『 平常心 』
- 2012.12.20
- 『 人脈づくり 』
- 2012.12.19
- 『 温かいサービス 』
- 2012.12.18
- 『 新聞コラムノート 』
- 2012.12.17
- 『 声の贈り物 』
- 2012.11.30
- 『 基本的な動作を体得しましょう 』
- 2012.11.29
- 『 言葉や態度に注意しましょう 』
- 2012.11.28
- 『 ピンチをピンチと自覚しましょう 』
- 2012.11.27
- 『 職場人としての人間性を磨きましょう 』
- 2012.11.26
- 『 連携を密にしましょう 』
- 2012.11.25
- 『 直ちに整理整頓をしましょう 』
- 2012.11.24
- 『 感動という味付けを施しましょう 』
- 2012.11.23
- 『 食物に深く感謝しましょう 』
- 2012.11.22
- 『 着々と実績をつくりましょう 』
- 2012.11.21
- 『 お金の使い方を考えましょう 』
- 2012.11.20
- 『 この場を最高と思って取り組みましょう 』
- 2012.11.19
- 『 常に冷静な判断で生活しましょう 』
- 2012.11.18
- 『 人に喜ばれる行動をとりましょう 』
- 2012.11.17
- 『 事の敗因を知りましょう 』
- 2012.11.16
- 『 発見した事柄を共有させましょう 』
- 2012.11.15
- 『 不要な物は処分しましょう 』
- 2012.11.14
- 『 良かったことを心に残しましょう 』
- 2012.11.13
- 『 執着を捨てましょう 』
- 2012.11.12
- 『 準備を万端にしましょう 』
- 2012.11.11
- 『 美意識を持って行動しましょう 』
- 2012.11.10
- 『 年長者を敬いましょう 』
- 2012.11.09
- 『 疑問点はすぐに調べましょう 』
- 2012.11.08
- 『 誰に対しても誠実に接しましょう 』
- 2012.11.07
- 『 折々の天気に感謝しましょう 』
- 2012.11.06
- 『 活気ある職場にしましょう 』
- 2012.11.05
- 『 物を最大限に活かしましょう 』
- 2012.11.04
- 『 気づいたらすぐ行動しましょう 』
- 2012.11.03
- 『 良き伝統を伝えましょう 』
- 2012.11.02
- 『 愚痴を振り払いましょう 』
- 2012.11.01
- 『 大きな度量を養いましょう 』
- 2012.10.31
- 『 会話に心を付け加えましょう 』
- 2012.10.30
- 『 明るい声を出しましょう 』
- 2012.10.29
- 『 想像力を鍛えましょう 』
- 2012.10.28
- 『 売り方を考えましょう 』
- 2012.10.27
- 『 「わかりません」を一掃しましょう 』
- 2012.10.26
- 『 ひたすら自分を磨きましょう 』
- 2012.10.25
- 『 前向きに生きましょう 』
- 2012.10.24
- 『 期限内に仕事をやり遂げましょう 』
- 2012.10.23
- 『 与えられた業務に精励しましょう 』
- 2012.10.22
- 『 今の状況を喜んで受けましょう 』
- 2012.10.21
- 『 地域との連携を大切にしましょう 』
- 2012.10.20
- 『 豊かな言葉を使いましょう 』
- 2012.10.19
- 『 気づきを活かしましょう 』
- 2012.10.18
- 『 感謝して食べましょう 』
- 2012.10.17
- 『 会社の本質を考えてみましょう 』
- 2012.10.16
- 『 イキイキと仕事を進めましょう 』
- 2012.10.15
- 『 プレッシャーを維持しましょう 』
- 2012.10.14
- 『 心に沁みる接客をしましょう 』
- 2012.10.13
- 『 緩みのない心で臨みましょう 』
- 2012.10.12
- 『 すぐ動きましょう 』
- 2012.10.11
- 『 学びを実行につなげましょう 』
- 2012.10.10
- 『 名前に自信と誇りを持ちましょう 』
- 2012.10.09
- 『 冷静に対応しましょう 』
- 2012.10.08
- 『 子供と触れ合いましょう 』
- 2012.10.07
- 『 生きた金銭の使い方を心しましょう 』
- 2012.10.06
- 『 的確なアドバイスをしましょう 』
- 2012.10.05
- 『 家事の尊さ 』
- 2012.10.04
- 『 前を向いて歩こう 』
- 2012.10.03
- 『 気づきに対して素直に順応しましょう 』
- 2012.10.02
- 『 生活のリズムを整えましょう 』
- 2012.10.01
- 『 不快な言葉を慎みましょう 』
- 2012.09.30
- 『 大きな声で明るい挨拶を交わしましょう 』
- 2012.09.29
- 『 まず一歩踏み出しましょう 』
- 2012.09.28
- 『 他者の視点で自己を改善しましょう 』
- 2012.09.27
- 『 考える習慣を身につけましょう 』
- 2012.09.26
- 『 自分の体を尊びましょう 』
- 2012.09.25
- 『 多方面に気を配りましょう 』
- 2012.09.24
- 『 与えられた業務への自覚を深めましょう 』
- 2012.09.23
- 『 悪い情報ほど即座に報告しましょう 』
- 2012.09.22
- 『 他人の美点を褒めましょう 』
- 2012.09.21
- 『 周囲の声に耳を澄ませましょう 』
- 2012.09.20
- 『 充実した一日を過ごしましょう 』
- 2012.09.19
- 『 反発心を希望に変えましょう 』
- 2012.09.18
- 『 誠意を全面に出しましょう 』
- 2012.09.17
- 『 お年寄りに元気をもらいましょう 』
- 2012.09.16
- 『 後始末を徹底しましょう 』
- 2012.09.15
- 『 目の前のことに心を込めましょう 』
- 2012.09.14
- 『 何事もチャレンジしましょう 』
- 2012.09.13
- 『 整理整頓を心がけましょう 』
- 2012.09.12
- 『 プロ意識を高めましょう 』
- 2012.09.11
- 『 先手で挨拶をしましょう 』
- 2012.09.10
- 『 前向きに朝礼に参加しましょう 』
- 2012.09.09
- 『 物忘れを防止しましょう 』
- 2012.09.08
- 『 連帯感を持って働きましょう 』
- 2012.09.07
- 『 足元の業務を再点検しましょう 』
- 2012.09.06
- 『 明るい声で話しましょう 』
- 2012.09.05
- 『 プラスに受け取る工夫をしましょう 』
- 2012.09.04
- 『 逆境が自分を成長させると受け止めましょう 』
- 2012.09.03
- 『 感謝の思いを声にしましょう 』
- 2012.09.02
- 『 仕事に厳しさを求めましょう 』
- 2012.09.01
- 『 真剣に働きましょう 』
24.12.24
『同じ釜の飯』
「孤食」という言葉に象徴されるように、昨今は、家族全員で食事をする機会が少なくなっていることが懸念されています。
しかし東日本大震災以降、人と人との結びつきが重要視されるようになりました。それは、近隣の人たちと挨拶を交わすようにしたり、地域の集会に参加しようと試みたりするという形に現れているようです。
洋菓子メーカーのC社は「大人数で同じものを飲んだり食べたりする傾向が強まっている」とみて、クリスマスケーキは例年より大きなサイズを揃えました。
祖父母から孫までの三世代や、友達同士で分け合って食べられる、特大のケーキなどを新たに販売しています。
家族という社会集団が成立した背景には、食事を共にするところにその起源がありました。長い人類史の中で「食」は家族にとって常に最重要テーマであり、家族の絆は食事を中心に深められていったのです。
今夜は家族揃って食事をしてみてはいかがでしょうか。
今日の心がけ【共に食する機会を持ちましょう】
24.12.23
『明るく元気に朗らかに』
企業を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。
不安要因を挙げればきりがありませんが、そのような中で業績を伸ばしている企業に共通するのは、前向きな明るい雰囲気があることです。
業績がいいから雰囲気もいいのだろうとも考えられます。しかしそうした状況を引き寄せるには、企業としての並々ならぬ努力もさることながら、どのような困難も乗り越えていくだけの前向きさや明るさが大切なのです。
なぜなら「心が先行するから」です。様々な逆風の中で、先を憂え心配すれば、マイナスの結果につながりやすくなるでしょうし、前向きにただ喜んで最善を尽くしていけば、自ずと良い結果が出てくるのです。
まずは職場の朝礼から行動に移してみましょう。一日の仕事のスタートラインである朝礼は、明るく前向きな雰囲気をつくることが大切です。
ハリのある明るい発声や、きびきびした動作、心地よくすっと伸びた背筋などを意識しながら「よし、今日もやるぞ!」という空気をつくっていきましょう。
今日の心がけ【明るい雰囲気をつくりましょう】
24.12.22
『念には念を』
仕事をする上で、九割方がうまくいっていたのに、最後の最後に躓いて失敗したということはないでしょうか。
サラリーマンのMさんは、新しい企画のプレゼンテーションを任され、資料映像、台詞まで完璧に準備をしていました。ところが本番当日、会議室で使用するパソコンがうまく作動しないというアクシデントに見舞われました。
パソコンを三台も替えた挙句に、起動したのはギリギリ5分前でした。Mさんが完璧な準備と思っていたのは、あくまで机上での準備に過ぎず、会議室でのリハーサルという、最後の確認を怠ったために起きたミスでした。
『徒然草』に「高名の木登り」という話があります。有名な木登りが、人に指図して梢を切らせていた時に、危険な作業中には声をかけず、降りる際、軒の高さに差し掛かった時に「あやまちすな。心して降りよ」と注意した話です。
≪ここまでくれば、もう大丈夫≫という気の緩みが、仕事の成就を妨げる場合があります。緊張の糸を切らさず、念には念を入れて仕事をしたいものです。
今日の心がけ【最後までやり切りましょう】
24.12.21
『平常心』
今日は二十四節気の一つ、冬至です。一年の間で昼が最も短く、夜が最も長くなる日です。
体を温め、無病息災を祈る慣わしがあり、毎年この日は柚子湯に入り小豆粥やかぼちゃを食べ、風邪を予防するという人は少なくないでしょう。
年の瀬は、急な業務が飛びこんだり、プライベートで特別な行事が入ったりなど、気が焦ったり浮足立ったりします。
このような時は、平常心で仕事に臨むことが難しくなり、思いもよらないミスを引き起こしがちです。特に、繰り返し続けている「慣れた仕事」は、心に油断が生まれやすいため、注意を要します。
積もりに積もった仕事や後始末に追われ、日常業務に手がつかない人もいるでしょう。慌ただしく思うように仕事が回らない時こそ、冷静さが必要です。
本日は柚子湯にゆったりと浸かり、大きく深呼吸をして体と心をリフレッシュしましょう。しっかりと地に足を着けて、今年の業務を締めくくりたいものです。
今日の心がけ【地に足を着けて業務にあたりましょう】
24.12.20
『人脈づくり』
仕事をスムーズに進める上で、人脈づくりは欠かせません。人脈は「見えない財産」と言われ、自分に良い影響を与えてくれる人たちです。業績好調な会社の共通点は、社員各自が幅広い人脈を持っているということだそうです。
自分自身の職場生活を改めて振り返ってみた場合、これまでにどれだけ「人」によって助けられたかを気づかされるでしょう。
情報提供や実務的な協力、あるいはトラブルに対する手助けなど、もしも人脈を持っていなかったなら、簡単に行き詰っていたかもしれません。
人脈づくりに必要なものは、自分自身が情報提供者となり、仕事の協力をし、悩みの相談相手となって、人の役に立つ人間になることでしょう。
つまり人脈づくりとは、「助け合いの精神」にほかなりません。仲間のために何ができるかを念頭に置き、仕事に従事することは、それがそのまま人脈を形成するための大切な鍵なのです。
人脈の広がりは、自分自身を磨き高めることと、確実に比例しているものです。
今日の心がけ【人の役に立ちましょう】
24.12.19
『温かいサービス』
Tさんは、経営者の勉強会の講師として、会場のS旅館に到着しました。宿泊室に手荷物を置きに入った時の話です。
髪の毛をセットするヘアードライヤーが置いておらず、Tさんは(仕方ないなぁ)との思いで、勉強会の会場へと向かいました。
その勉強会は「気づいたらすぐする」というテーマでした。Tさんは講義の中で、自分の髪の毛がクセ毛であるということを話したのです。勉強会が終了し、宿泊室に戻ると、テーブルの上にドライヤーが置いてありました。
翌朝、旅館の従業員に理由を聞くと「昨日の勉強会に私どもの社長も参加しておりました。○○号室に、貸し出し用のドライヤーを持っていくようにとの指示がありました」とのことでした。
Tさんは、その社長にお礼を述べると「昨日のお話を伺い、すぐにドライヤーを届けさせていただこうと思いました」と説明を受けました。
社長の即実行するという姿勢に、心が温まる思いをしたTさんでした。
今日の心がけ【気づきを大切にしましょう】
24.12.18
『新聞コラムノート』
新聞のコラムを十年以上も毎日ノートに書き写している、Aさんという女性がいます。何か一つでも毎日続けたいと思い立ったのがきっかけでした。
約八百字のコラムをB5判のノートに書き写すと、ちょうど1ページ分になります。わからない言葉は、一つひとつ辞書で意味を調べ、さらに辞書に赤線を引きます。コラムを切り取ってノートに貼るなど、時間のかかる作業です。
初めの頃は、意味のわからない言葉が多く、何も知らないことに愕然としましたが、次第に謙虚に学ぶことの大切さを学んだとAさんは言います。
何も知らないことがわかれば、謙虚に学ぼうという気持ちになりますが、何でも知っていると思うと学ぶのを止めてしまうのが私たちではないでしょうか。しかし、学ぶことを止めてしまえば成長は望めません。
「こうしたらどうだろう」と言われて、「そんなことわかっているよ」と対応する場合があります。人の勧めや忠告などを素直に受け入れ、何事からも学ぶ謙虚な姿勢を持ち続けたいものです。
今日の心がけ【謙虚な姿勢で学びましょう】
24.12.17
『声の贈り物』
Yさんは人とコミュニケーションを取ることが苦手でした。ある日「自分の言葉を録音して相手に送る」という商品を電気店で見つけました。
そこには、「『ありがとう』などの言葉を録音したり、恋人や夫婦間でも言いにくい『愛してる』と録音してもいいですね」と、商品を購入したお客様のコメントが記されていました。
昨今は会社や家庭内での挨拶の声を、聞く機会が減っているようです。「わざわざ声を掛けなくても相手はわかってくれている」などと、勝手に思い込んでいる人たちが多くなってきたことが、その理由としてあります。
しかし、人の集まる場所には言葉が必要です。ほんの一言の「ありがとう」でも、円滑に心を通わせることができ、救われた思いになる人も多いのです。
Yさんは商品購入を考えましたが、≪まずは実際に会って、自らの言葉と思いを口にしてみよう≫と決心をし、自宅で挨拶の練習を開始しました。
翌朝、気持ちを乗せた挨拶の声に、明るい笑顔と声が返ってきたのです。
今日の心がけ【思いを声に出しましょう】
24.11.30
『三つ子の魂』
「三つ子の魂百まで」といわれるように、小さな頃に覚えたことや習ったことは、生涯忘れないものです。
良いことを身につければ、自分だけではなく周りの人を喜ばせます。逆に、悪いことがやめられなければ、自分だけではなく周囲をも傷つけます。
武道や稽古事にしても、まずは一つのことを習慣として身につけるためにあるのです。繰り返し行うことで、いつしか自然と体が動くようになるのです。
身近なところでは、挨拶や返事などがあります。これらを率先して実行していると、自然と周囲が明るくなっていきます。
職場朝礼では、これらの基本的な動作を実習することにより、「いつの間にか身につけてしまおう」という狙いがあります。
当たり前と思われる動作の中に『良いこと』は秘められています。良いことだからこそ、『当たり前』として定着しているともいえます。
朝礼を単なる儀式とせず、はっきりとした目的のもとに臨みたいものです。
今日の心がけ【基本的な動作を体得しましょう】
24.11.29
『一言の重み』
ある産婦人科病院での出来事です。院長が発した『一言』が、外来診察を受けに来た妊婦を怒らせてしまいました。
貧血気味で元気がなく、顔色がすぐれない彼女に、院長が「顔が悪いですね。大丈夫ですか」と声をかけました。すると「顔のことはどうでもいいでしょう。ずいぶん失礼な病院ですね!」と怒り、診察室から出て行ってしまったのです。
その場にいた看護師が「先生、いま顔色の『色』を抜かしたでしょう。顔が悪いなんて言ったら、患者さんだって怒りますよ」と指摘しました。「ちゃんと言ったつもりだったが・・・」と答える院長の顔色が、見る見るうちに悪くなっていきました。
私たちは普段、何気なく会話を交わしています。言葉を用いるのは当たり前で、一つひとつ吟味をして口から出すことはあまりありません。大小の「事故」は至るところで起きているでしょう。
生活上のちょっとしたズレや行き違いは、注意をしていれば回避できるものです。起きてしまう前に注意するという意識が事故を未然に防ぎます。
今日の心がけ【言葉や態度に注意しましょう】
24.11.28
『ピンチの自覚』
A氏が旅行先の旅館に到着し、チェックインの手続きをしようとした時のことです。「私どもの手違いで、お部屋のご用意が遅れております。申し訳ありませんが、今しばらくお待ちください」と言われました。
周囲を見回すと、同様に待たされているらしい数名が「団体の予約が漏れていたらしいよ」などと会話を交わしています。しかし、待たされているという状況にもかかわらず、皆一様に落ち着いて、むしろ笑顔さえ浮かべているのです。
何となく不思議な感じを受けた氏のもとに、旅館スタッフがコーヒーを運んできました。「不手際をお詫び申し上げます。お部屋が用意でき次第、速やかにご案内いたします」という丁重な対応に、先ほどの疑問は氷解しました。
ミスによってお客様に迷惑をかけた際には、その処理の仕方が後の信用や評価に大きく影響します。大切なのは『今はピンチである』と自覚することです。
ピンチに落ち込むだけではピンチでしかありません。今の状況を冷静に判断し対応することで、一転してチャンスにもなる絶好の時と心得たいものです。
今日の心がけ【ピンチをピンチと自覚しましょう】
24.11.27
『「あの人」から買う』
商品やサービスを購入する際、特定の店舗の特定の販売員から購入する買い方を「あの人買い」と呼びます。
20〜60代の男女を対象とした調査で「あの人買い」をしていると答えた人の中から、さらに500人を追跡調査しました。その対象品目は多い順に、『自動車』『家電』『洋服・靴』『化粧品』『保険・証券』などが挙がっています。
信頼できる特定の販売員が欲しいと回答した人は52.4%にも上りました。求められているのは「この人なら安心して任せられる」という信頼感です。
買い手とすれば(せっかく物を買うのなら、自分の好きな人、頼れる人から買いたい)という心理が働くのは当然です。一度きりの付き合いならともかく、何度か同じ商品の買い物をするなら、その買い方に注意がいくものでしょう。
お客様は『物』だけでなく『人』も見ています。書い手の側に立った理解しやすい説明、どんな状況でも変わらずに対応する誠実さなど、お客様が求めるものは、じつは一定なのです。売り手の資質向上に磨きをかけていきましょう。
今日の心がけ【職場人としての人間性を磨きましょう】
24.11.26
『他部署との連携』
企業という組織は、すべての部門と上手くつながってこそ「組織力」がアップします。Kさんはそれを物語るような体験をしました。
出張先で宿泊するため、Kさんはホテルに予約の電話を入れました。電話口の男性は「空いております。この電話を予約係に回します」と取り次ぎました。
しかし、予約係の女性は「仮予約が入っており満室です。上司に確認しますので、このままお待ちください」と言った後、「大変申し訳ございません。やはり満室です」と対応したのです。Kさんの心には後味の悪さだけが残りました。
(何かタイミング的なズレが先方にあったのだろう)と自分を納得させたKさんでしたが、ホテルの信用を低下させた事実には違いありません。
仮にKさんからクレームが入った場合、フロントと予約係による責任のなすりつけ合いが始まるかもしれません。それは非常に見苦しい図となることでしょう。
大切なのは≪会社はチームである≫という意識づくりです。中の人間にすれば他部署の人間でも、外から見た場合はチームであるという認識は不可欠です。
今日の心がけ【連携を密にしましょう】
24.11.25
『乱雑な机』
Sさんは整理整頓が苦手なため、デスク周りは常にゴミ山のような状態です。書類は山積み状態で、飲みかけのコーヒーカップやペットボトルが机の上に散乱し、ゴミ箱はいつも溢れ返っている状態です。
そんなSさんがある日、一人で夜遅くまで残業していた時のことです。広い職場の電気の中で、ポツンとその背中が照らし出されていました。
すると出張をしていた上司が、出張先での案件を整理するために戻ってきたのです。Sさんは上司の存在に全く気づかず、パソコンの画面に夢中です。机の乱雑さは、静けさの中で妙に際立っていました。
そんなSさんを見た上司は「道具を大切に扱えないから仕事が進まないんだ。机の状態が仕事ぶりを物語っているぞ」と声を荒げました。
上司の鬼気迫る声に、Sさんは黙って頷くだけでした。自分のだらしなさを深く反省し、翌日からは整理整頓を心がけるようになりました。
数週間後、仕事を就業時間内に終えられるようになったSさんがいました。
今日の心がけ【直ちに整理整頓をしましょう】
24.11.24
『忘れ得ぬ味』
ある航空会社の機内で放映されている番組があります。各界で活躍する人物が登場し、かけがえのない食事体験を
『涙メシ』として紹介するものです。
女優の室井滋さんは、家庭の事情で弁当を持っていけなかった学生時代、友人からおにぎりを貰いました。そのおにぎりが、一番の『涙メシ』だという室井さんにとって、食べるとは幸せを噛みしめることだと語ります。
苦しい時に口にしたもの、夢に向かう途中で自分を支えてくれた食べ物、親の温もりを思い出す食事など、私たちには人生を支えた思い出の味があります。
それは特別に美味しいものばかりとは限らないでしょう。他人から見れば何でもない料理であっても、そこに込められた思い出や温もりなどが心に残っているからこそ、いつまでも忘れることのできない感動に満ちた味なのです。
どのような業種であっても、お客様へ最終的に提供するものは『感動』です。サービスや商品に加え、プラスワンの感動を設定できてこそ、前向きな企業活動だといえます。感動はサービス・商品に欠かせぬ味付けと考えたいものです。
今日の心がけ【感動という味付けを施しましょう】
24.11.23
『新嘗祭』
本日は勤労感謝の日です。国民の祝日に関する法律には「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨が書かれています。
農業を大切にしている日本は、古くから神々に五穀の収穫を祝う風習がありました。勤労感謝の日は本来「新嘗祭」という新穀を供えるお祭りの日でした。
飛鳥時代に始まったという新嘗祭は、天皇が国民を代表して、農作物の恵みに感謝する式典でした。昔はその年の新米は、新嘗祭が終わるまでは誰も食べないという習慣があったようです。
現在でも宮中の重要な祭典として、天皇陛下自らが栽培した新穀をお供えしています。また伊勢神宮をはじめ、全国の神社でも粛々と斎行されます。
新嘗祭は、私たちの命の根源である穀物や野菜・果物などの食物への感謝の気持ちを込めた、厳粛なるお祭りといえるでしょう。
今日もおいしいご飯が食べられるのは、大自然の恵みがあるからです。生命の源である食物に対して、感謝の気持ちを持っていただきましょう。
今日の心がけ【食物に深く感謝しましょう】
24.11.22
『私の背中を見なさい』
サッカー日本女子代表の澤穂希選手が、世界の強豪チームを相手にする際にイレブンを奮起させた言葉は、「苦しくなったら私の背中を見なさい」でした。
澤選手は大阪で6歳の頃からサッカーを始めました。その当時、女子は練習生の中で一人だけでしたが、体は大きく、足は速く、男子に見劣りしませんでした。性格も負けず嫌いで、練習は絶対に休まなかったそうです。
ある試合でゲームキャプテンを決める時のこと。一人の男子が「澤でいいんちゃう」と言うと、他の男子から「女はあかんわ」と反対しました。
それからしばらくして、澤選手は一番上手な男子にも負けないほどに上達していたといいます。もう誰も「澤キャプテン」に反対しませんでした。
多くの壁を乗り越えてきた人物には、「負けず嫌い」という特徴があるといわれます。澤選手は、その後の様々な苦労を経て「見せるべき背中」をつくりました。
周囲の選手たちも、澤選手が通ってきた道を知っているからこそ、その背中に励まされたのです。「背中」とは「実績」です。圧倒的な背中をつくりましょう。
今日の心がけ【着々と実績をつくりましょう】
24.11.21
『使うべき時に』
土佐藩(現在の高知県)の初代藩主・山内一豊の妻は、夫を支える「内助の功」の理想的なモデルとして知られています。
苦しい生活の中で名馬を買い入れ、その馬が織田信長の目に留まったことで、夫が出世をしたという逸話が特に有名です。質素・倹約に努めながら、使うべき時に思い切って使ったのです。まさに生きたお金の見本といえるでしょう。
お金は敏感な生き物と考えられます。使い方次第では自然に集まり、時として無常にも離れていくものです。
自分の欲を満たすためだけにケチケチと使うのは、お金が離れていくようなことを進んで行っているのと同じです。逆に必要なことに対してや、誰かのためにという思いで使う場合は、お金を十分に生かすことになります。
お金とは、自分の手許を離れていく時から、自分のところに戻ってくることを意識しておくべき存在です。時には、手許にあるお金に静かに正対し、≪いつもありがとう≫と念じましょう。私たちの生活を支える糧が光って見えるはずです。
今日の心がけ【お金の使い方を考えましょう】
24.11.20
『置かれたところで咲く』
ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんが学長になったのは、まだ36歳の時でした。それは前任者の急逝を受けての就任だったのです。
前任者の半分にも満たない年齢で任命されたため、周囲からの風当たりが強く、退任して修道院も辞めようとまで思いつめたのです。
その時、一人の宣教師が、彼女に一編の詩を贈りました。その冒頭の一行は「置かれたところで咲きなさい」という言葉でした。さらに「咲くということは、仕方がないと諦めることではありません」という言葉がありました。
それからは、自分から先に挨拶をし、微笑みかけ、御礼を言うようにしたところ、皆が優しく接してくれるように変わりました。以来、卒業生に贈る言葉として、この『置かれたところで咲く』を大切にしているそうです。
私たちの人生は「置かれた場所」の連続です。自らの意思を超えた中で、自分の位置が決まることが少なくありません。そのようなことをストレスとしないためにも、置かれたところが最良の場所と考えたいものです。
今日の心がけ【この場を最高と思って取り組みましょう】
24.11.19
『兜の緒』
サラリーマンのAさんは、営業マンとして5年前に入社以来、バリバリと仕事をこなし、常にトップの成績を維持してきました。
ところが1ヶ月ほど前、得意先との宴席の帰り道で、泥酔していたAさんは駅の階段を踏み外してしまい、右足を骨折してしまったのです。
長期の入院を余儀なくされたAさんは≪何でこんなことになってしまったんだろう・・・≫と、ベッドの上で悔んでばかりいました。
その後、冷静になったAさんは≪今回のことは自分の不注意が原因だ。成績が良いからといって、酒の席で調子に乗り過ぎた自分の自業自得だ。反省すべき点は反省し、酒の量も加減していこう≫と決意しました。
退院したAさんは、更に仕事に熱心に取り組むようになりました。それと同時に、以前にも増して、多くの事柄に感謝の心を持って生活するようになりました。
古来より『勝って兜の緒を締めよ』と言われます。真の勝利者は勝っても奢ることがないからこそ、その後も勝者なのです。
今日の心がけ【常に冷静な判断で生活しましょう】
24.11.18
『魅力を能力に』
ある大手家電メーカーに長年勤務しているNさんは、人間関係を第一に考え、どんな人との出会いも大切にしてきました。
あらゆる相手に対して誠意を尽くし、両親から教わった「まず人のために」をモットーに人生を送ってきました。
十年ぶりにそのNさんと仕事を共にすることになったTさん。若手時代、Nさんから受けた「もてなしの心」に感動し、ずっと忘れずにいた一人です。
ベテラン・若手の分け隔てなく、もてなしの心で接してくれたNさんへの恩を、いつか果たそうと思っていました。Tさんは今、燃えに燃えています。
社会というものは、打算や損得が見え隠れすると、難なく相手に見抜かれるものです。だからこそ、分け隔てのないコミュニケーションいよって、真の「思いやりの心」は育まれるのです。
職場で必要な「能力」を磨き高めることはもちろんですが、より良い人間関係を築くためにも、人間性を高めるNさんの姿勢を見習いたいものです。
今日の心がけ【人に喜ばれる行動を取りましょう】
24.11.17
『敗北の法則』
古代中国の兵法家として知られる孫子の思想は、現代のビジネスにおいても参考にされています。孫子は「走・弛・陥・崩・乱・北」という、敗北に至るポイントを示しました。
「走」=戦力は互角でも、力が分散して集中していない。
「弛」=装備も訓練もよいが、トップの能力が劣る。
「陥」=トップは優秀でも、部下に実力がない。
「崩」=トップが勝手な行動を取り、幹部がこれを止められない。
「乱」=組織の統制が弱く、規律がなくバラバラ。
「北」=少数で多勢を相手にしたり、弱小チームを強敵にあてたり、重点でないところに力を注いでいる。
事の敗因を知ることは、次なる勝利に向けた必要不可欠な作業です。多くの戦いの中から集約された前期のポイントは、企業活動における重要な項目として強く銘肝すべきでしょう。
何事も失敗やミスにいたるには理由があります。敗因を減少させ、より勝因を増やすために、必要な措置を取っていきたいものです。
今日の心がけ【事の敗因を知りましょう】
24.11.16
『考える防災』
事業所には防災訓練の実施が義務づけられています。
防災の備えが整うほど、その被害は軽減できるということに留意すべきです。物資・行動・心の備えを確かめ合い、訓練した内容を職場全体で蓄積していくことは、誰もがその場でのリーダーと成り得るために欠かせません。
なぜなら防災の役割分担を決めても、いざ「その時」に全員が揃うとは限らず、一人ひとりが状況をつかんで判断・行動する力が強く求められるためです。
避難先・連絡法・備蓄物関係など、仮に想定どおりにいかない場合の代替案は、どのように検討されているでしょうか。マニュアルのみに頼っていては、肝心な時に動くことはできないでしょう。訓練を重ねていきながら、各自の判断力を鍛え、互いの結束を強めていくのです。
「創造と発見」を真剣に積み上げていく時、職場の守備も危機管理も進化していきます。防災は机上だけで行えるものではありません。頭で考えたものを実行に移す時に何が起こるのかを、訓練で発見していきましょう。
今日の心がけ【発見した事柄を共有させましょう】
24.11.15
『不要な物との決別』
K氏は郊外にある戸建ての住宅から、駅に近いマンションに引っ越すことになりました。居住面積や収納スペースも狭まるため、身の回りにある余分な物を整理し、処分せざるを得なくなったのです。
≪あれば便利。いつか使うから≫という執着を捨て、≪なければ困るものか。本当に必要なものか≫を基準に選別を始めました。
そして衣類、履物。家具、食器、書籍など、使わない物、余分な物、不必要な物を、思い切って処分しました。
「物は半分以下になりましたが、不自由さはありません。それより心がスッキリしましたよ」とK氏。物を増やし、溜め込む生活とはきっぱりと決別しました。その後は、前の物を処分してからでないと購入しなくなったのです。
家庭や職場でも、ついつい物が増えて溜まってしまいます。不要になった物さえ、いつまでも大事に保管されていることもあります。人が住み、働くための空間が、物に占領されてしまっては本末転倒と心得たいものです。
今日の心がけ【不要な物は処分しましょう】
24.11.14
『日記の効用』
ものごとを継続するのが苦手なIさん。今年の1月から新たな取り組みに挑戦し、自己向上に努めようと決意しました。それは「日記を毎日継続的に書く」ということでした。
日記を書き始めて3ヶ月が過ぎた頃は≪よく続いている≫と自賛していたIさん。しかし半年もすると喜びが半減したのです。日記の内容が、業務で失敗したことや、問題点を記すなどの、反省内容ばかりで溢れていたからです。
書くことが億劫になってきたところで、日記を長年書き続けている職場の先輩よりアドバイスを受けました。
「昨日の良かった点だけを書いてごらん。短所の矯正より長所を伸ばすほうが、君の器は大きくなるぞ」というのです。
早速、良かった点のみに絞って日記を付けると、昼間の嬉しさが甦ってきてイキイキと書けるのです。さらには、落ち込んだ時に過去の良かった出来事を読み返すことで、気持ちが前向きになっていくのを実感したIさんでした。
今日の心がけ【良かったことを心に残しましょう】
24.11.13
『百発百中』
昔から日本では、弓道に例えて「仕事の極意」が語られてきました。
下手な人が矢をつがえて的を狙うと、狙う矢の先がぶれて的が遠ざかり、小さくなっていくような錯覚を覚えます。
ところが修練を重ねた達人になると、矢を的に向けた途端に的の方からグーッとこちらに近づいて、矢にくっついたように大きく感じられます。
そこからさらに精神と技の練磨が進むと、右手で矢を持った瞬間に的のほうが矢に当たっているという、百発百中の境地があるといいます。
弓道家で、弓聖と呼ばれた阿波研造氏は、弟子に「的を狙うな」と戒めました。当てようとする「執着を一掃せよ」との教えです。
仕事においても、結果を求めるあまり執着が過ぎると、頑張りや我慢が度を越し、実力を発揮できないばかりか大失敗を招きかねません。
澄み切った清い心で高い目標に立ち向かうための工夫を、誠心誠意尽くしていきたいものです。
今日の心がけ【執着を捨てましょう】
24.11.12
『登山での誤算』
友人の誘いがきっかけで登山を始めたSさんが、初めて一人で山登りをした時の出来事です。初心者向けといわれる低めの山への挑戦です。
計画通り頂上に到達し、景色を満喫していました。ところが、いざ下山となった時、途中で帰りの道を見失ってしまったのです。Sさんはそこで軽いパニック状態に陥り、恐怖心を覚えました。
冷静さを取り戻し、いったん下山してきた道を引き返すと、何とか正規のルートを発見できました。そして、無事に下山することができたのです。
遭難の原因は、Sさんの下調べの不足にありました。何と地滑りが原因で地図と比べてルートがずれていたのです。それからは、どんなに低い山であっても必ず入念に下調べをし、準備に万全を期するようになったのでした。
職場においても、下調べや入念な確認を経て、仕事を進行することが重要です。≪わかっているから≫と考えて準備を怠れば、肝心なところでつまずいてしまいます。段取りを万全にして職務に臨みましょう。
今日の心がけ【準備を万端にしましょう】
24.11.11
『美しさの追求』
ロンドンオリンピックの体操男子個人総合で、内村航平選手は金メダルに輝きました。内村選手が追い求めた「美しさ」の結晶でもあるでしょう。
「人は美しいものに目を奪われ、心を湧き立たせる。体操を芸術を愛でるように観てほしい」と内村選手は述べています。
この「美しさ」の追求はスポーツ競技・芸能の分野にとどまらず、私たちの日常生活の様々な場面で必要な行動規範であるといえるでしょう。
例えば、背筋を伸ばし、手の指を揃えるといった「美しい」挨拶をすることで、相手に与える印象は大きく変わっていきます。美しい挨拶を交わすことで、それまでギクシャクしていた人間関係が良好になることもあるでしょう。
道ばたにゴミやタバコの吸殻を捨てない、電車内でのマナーを守るなど、私たちが「美しさ」を追求することで、それらは自然と改善していくものです。
職場内での挨拶、コミュニケーション、清掃等においても、「美しさ」を行動規範として業務に励んでいきましょう。
今日の心がけ【美意識を持って行動しましょう】
24.11.10
『ある父親の躾』
Nさんが電車に乗っていると、小学生くらいの男の子と父親が乗ってきました。子供が空いている席に座ろうとすると、父親が「ダメだよ」と止めたのです。
その父親は「立っている人がいない時は座っていいけれど、自分より年上の人が一人でも立っていたら、席に座っちゃダメだ」と諭していました。
Nさんはこれまで、車内ですぐに子供を座らせる親を見てきたので、少々厳しい父親だなと思いました。しかし、この父親の躾の姿に感心させられました。
数日後、電車内で親自身は立ち、子供を座らせている姿を見かけました。子供を可愛がる親心は理解できるものの、Nさんは釈然としない思いを抱きました。
年長者と年少者との間には、社会習慣上守るべき一定の規律が存在します。親を差し置いて子供を優先する行為は、子供を甘やかすこととなり、わがままを増長させる原因にもなります。
家庭、職場、公共機関において、年長者に対する心遣いを養うことが大切です。そうした心遣いを形に表していきましょう。
今日の心がけ【年長者を敬いましょう】
24.11.09
『即行の効果』
Hさんが雨上がりの道を小学生の息子と散歩していた時のことです。息子がサトイモの葉を見つめ「何でサトイモの葉は水をはじくの?」と質問してきました。
その質問に対して、Hさん自身も知らないことに気づき、「どうしてだろう?家で調べてみようね」と子供に言って帰宅しました。
早速調べてみると、「里芋の葉の表面は、ワックスのような物質で覆われていて、葉の表面には細かい凹凸があります。この凹凸の間に空気が入り込み、水と葉の表面を触れにくくして水をはじいている」ということがわかりました。
これはロータス高価といって、葉を清潔に保つ天然の自浄機構のことで、今ではナノテクノロジーとして注目されています。そして現在、化粧品や半導体の開発などにも、欠かせない技術だということがわかりました。
さらに、偶然にもHさんはナノメートル(十億分の一メートル)単位の精密機械を扱う営業社員だったのです。息子との対話を通じて自社製品の凄みを知ったHさん。疑問をすぐに調べるという即行の重みを体感したのでした。
今日の心がけ【疑問点はすぐに調べましょう】
24.11.08
『見た目で判断』
接客の担当になって3ヶ月が過ぎたMさん。ある日、お客様から「店長はいるか」と聞かれました。Mさんは心の中で(何て偉そうな…)と思い、喧嘩腰で「何の用件ですか」と言い返したのでした。
翌日、上司から「あるお客様から、君の接客態度に関して『目上の人間に対して、あのような物の言い方はない』と指摘を受けた」と告げられました。
先方の物言いに思わずカッとしてしまったMさんでしたが、冷静になって考えた時、(来店されたお客様に不快感を与えてしまった)と自身の言動を恥じました。
その日からMさんは、どのようなお客様に対しても、分け隔てなく心を込めた接客に努めるようになったといいます。
私たちもMさんと同じように、見た感覚だけで≪この人は○○な人物だろう≫と判断してしまうことがないとはいえません。
「人は見かけによらぬもの」という格言があります。見た目だけではわからない部分が、数多くあるはずです。誰に対しても誠実な応対を心がけましょう。
今日の心がけ【誰に対しても誠実に接しましょう】
24.11.07
『恵みの雨』
朝は快晴だったのに、帰宅の時間に急に雨が降ることがあります。こうした経験は誰にでもあるでしょう。
雨が降った時には、「悪い天気」「天気がよくない」などと悪く捉えがちです。私たちにとって「雨はよくないもの」と思ってしまうのです。
それでは農家や外国の砂漠地帯に住む人々にとってはどうでしょうか。私たちが嫌う雨は、降る場所によって恵みの雨になりうるのです。
寒さが厳しくなればなるほど、雨が頬に当たった瞬間の冷たさは誰でも嫌なものです。しかし、雨は大地を潤し、大気を湿らせ、天地の活動に新たな息吹を与えてくれます。
日本には四季があり、それは得がたい恵みの一つです。その時々の季節や天気に感謝して過ごすことが大切です。晴れの日と同じく雨の日を愛する心を持てた時、初めて恵みの雨と捉えることができます。
大自然の恵みによって生かされていることを心しましょう。
今日の心がけ【折々の天気に感謝しましょう】
24.11.06
『気の交流』
私たちの心の中には、あらゆる「気」が存在しているといわれます。例えば、陽気と陰気、鋭気と鈍気、活気と惰気などです。
こうした「気」には、相反する二つの性質があります。それが日時や場所、相手の状況によって様々に変化していくのです。
明朗な人柄に接すれば、周囲の人も明るい気持ちになります。そうした職場では、活力が漲った仕事環境を形成していくものです。
反対に、何事にも暗く受け取り、愚痴ばかりこぼすような人に接すると、周囲も気がめいってしまうでしょう。そうした職場は暗くなりがちです。
また、人生経験豊かな貫禄のある人と向き合えば、こちらの軽薄な心まで重厚になったように、どっしり落ち着くようになります。純粋無垢な赤ちゃんに接すれば、心が洗われるような清らかな気持ちになるものです。
本日の活力朝礼を活かして、元気のない人でさえ思わず笑顔になってしまうほどの気を交流させていきましょう。
今日の心がけ【活気ある職場にしましょう】
24.11.05
『物を大切にする』
日頃から道具の手入れを行ない、感謝の念を抱いて大切に扱っていれば、物は私たちの仕事を大いに助けてくれます。
ある日、Mさんは机の引き出しの中に、同じ文房具が複数あることに気づきました。(紛失した)と思っていた万年筆や消しゴム、まったく使っていないペンなどが、次々に出てきたのです。
(物を粗末にしていた)と反省したMさんは、文房具を活用する方法を考え、引き出しの中を整理しました。使用する頻度の多いものを数点だけ引き出しに置き、余分なものは共有物として返却し、個人で保有しないようにしました。
その結果、机まわりはスッキリと整い、必要な時に用具を素早く取り出せ、仕事がはかどるようになったのです。
清々しい気持ちで業務に向かえるようになったMさんは、日頃から面倒がるクセを戒め、小さなことにもけじめをつけようと決心したのでした。
物は使われてこそ、その力を発揮できるのです。
今日の心がけ【物を最大限に活かしましょう】
24.11.04
『気づいたら』
気づいたらすぐすることが、物事を順調に運ぶ秘訣です。しかし、思うように行動できない場合も多々あります。
Nさんがスーパーで商品を購入しようと、レジ前の列に並んでいた時のことです。六人ほどが並び、他のレジも混雑していました。
通行の邪魔にならないように順番待ちしていると、Nさんの横を通った人の買い物カゴが陳列棚にぶつかり、商品が床に落ちてしまったのです。
その人は気づかなかったのか、そのまま通り過ぎてしまいました。Nさんは、落ちた商品を見て、(棚に戻そうか…いや、その必要はないか)と迷っていました。するとNさんの後ろに並んでいた女性が、素早く片付け始めたのです。
Nさんもすぐに参加しましたが、笑顔で片づけをしている女性の姿を見て、さらに衝撃を受けました。落ちた商品を見てもすぐに行動できなかったこと、普段から思っていても行動しない自分を恥ずかしく思ったのです。
(迷ってる暇があったら、すぐに行動に移そう)と誓ったNさんでした。
今日の心がけ【気づいたらすぐ行動しましょう】
24.11.03
『文化の日』
今日は「文化の日」です。「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨とする国民の祝日です。
文化を称える行事として、皇居では、日本において文化の発展に功労のあった人々へ、文化勲章を贈る授与式が執り行われます。
わが国には、長い歴史の中で育まれた伝統文化、代々引き継がれてきた匠の技や技術、先人たちの汗と結晶によって、脈々と受け継がれてきた数々の作品があります。
今日という非に、改めて日本文化の奥深さに、思いを馳せてみましょう。そして、文化を進める基にある、自由と平和がいかに大切であるかを、ともに感じ合える日でありたいものです。
本日を、「日ごろ振れる機械のない文化に親しむ日」とするのもよいかもしれません。親祖先から受け継いできた良き伝統を大事にして、次の世代へバトンタッチをしていけるよう、心がけていきたいものです。
今日の心がけ【良き伝統を伝えましょう】
24.11.02
『寝てまで心配』
仕事や人間関係が思うようにいかず、快眠できない人が多いようです。
倫理研究所制作『倫理かるた』の「ね」に、「寝てまで心配」があります。
「寝てまで心配する者がいる。寝室に入る時は、『心配よ、明日までさようなら』とドアの外に締め出して、頭を枕につけると同時に、ぐっすりと休む」の意です。
とはいえ、生活をする上で悩みは尽きないものです。悩みや不安が大きくなると、愚痴めいたマイナス言葉を多く発するようになります。
愚痴は周囲の人を不快にさせるだけでなく、言った本人が一番の被害を蒙るのです。「天に唾する」ようなもので、その毒気が自分に戻って蓄積されるからです。
その蓄積が次の愚痴を生み、さらに肥大して心が暗くなってくのです。不満は頭の中を渦巻き、心配事となって不眠に陥る悪循環となってしまいます。
愚痴を言いそうになった時や言ってしまった直後には、「愚痴をこぼせば、幸せこぼす」と自分に言い聞かせ、悪循環を断ち切りましょう。
より良い眠りにつけるよう、感謝の念で一日を締めくくりたいだけです
今日の心がけ【愚痴を振り払いましょう】
24.11.01
『先輩からの手紙』
Aさんが公私ともに世話になった先輩社員のSさんが、定年退職をしました。しばらくして、Sさんから手紙が届きました。
「A君、その後も元気に活躍していることでしょう。私もお陰様で、第二の人生を元気にエンジョイしています。さて、これまで面と向かってなかなか言えなかったことを、一文したためました」
「君の素晴らしさは、とても明るく前向きなところです。人付き合いも上手で、そつなく何事もこなすことができて、私のような不器用な者には到底できないことだと感心していました。
「A君、君にはこれからの会社を背負っていってもらいたいと願っています。それには自分だけで実績を上げようとせず、もっと周囲の人や部下を信頼し、仕事を任せて功績を譲り、人に花を持たせるような大きな度量を養ってほしい。そうなった時、君はきっと立派なリーダーになれると信じています」
A君は手紙を握りしめ、先輩の温かい励ましに応えることを誓いました。
今日の心がけ【大きな度量を養いましょう】
24.10.31
『心配り』
「浮世渡らば豆腐で渡れ」ということわざがあります。「豆腐の形は四角四面ですが、中身は柔らかいことから、世の中を渡るには、決められたことを守って、まじめでなければならないが、内面は柔らかくあれ」という意味です。
大阪の90歳になる店主の古書店では、定休日の張り紙に、心温まる絵とメッセージが添えられています。張り紙が楽しみで見に来る人もいるそうです。
『ほんじつ休ませて戴きます。挫折は人生を深くする。失敗は人間を磨く』『ほんじつ休ませて戴きます。ひとつだけでも良い だれかを幸せな気分に』などです。
『本日休業』だけで主旨は通じ、事は足りますが、そこに一言付け加えることで心に潤いが生まれるものです。
電話の応対をはじめ、報告、連絡などの伝達は、伝えるべき事柄を正確に伝えることが基本です。
その上で、ただ伝えるだけでなく、一言添えることで良好な人間関係を築くことができます。時にはユーモアや潤いある会話を心がけたいものです。
今日の心がけ【会話に心を付け加えましょう】
24.10.30
『自己を突破する』
スポーツにおいては、競技中に大きな声を出す選手の姿を見かけます。
テニスのトッププロとして活躍する、ロシアのマリア・シャラポワ選手などは、その音量の数値が記事のネタになるほどです。
競技中に大声を出すことについて。筋生理学者の谷本道哉氏は「大声を出して一時的に興奮状態を作り出すことで、人が無意識に 抑制してしまう力をカットし、いつも以上の効果を得られる」と解説します。
確かに人は、自分自身を抑えてしまう性質を持っています。特に疲労時や気分が乗らない時などは、抑制が悪い方向に働き、思考や行動が鈍くなるものです。
大きな声を出すことの効用は、新入社員教育や活力朝礼などの人材育成の場において、自分の体力や思考の限界を突破する方法として活用されてもいます。
業務時間中は派手は発声は控えなければなりません。しかし朝礼の場では、妙な遠慮は必要ありません。朗らかで切れのある声を出し、自分の成長を図る場として活用したいものです。
今日の心がけ【明るい声を出しましょう】
24.10.29
『想像力で勝負』
Nさんが昼食時に、コーヒーショップへ入った時のことです。
ひと通り注文を終えると、店員から「こちらの新商品はいかがでしょう」と勧められました。急いでいない時なら気になりませんが、後ろに列ができて混み合っている店内では、何か強い違和感を覚えました。
(きっとマニュアルどおりに接客しているだけなのだろう。せっかく新商品が発売されても、これでは逆効果だな)と感じたのです。
このような違和感があると、いつも自分自身を振り返ってみるNさん。顧客に商品を説明する際に、難解な専門用語を使っていた自分に思い至りました。仕事に慣れが出て、専門知識を持たない相手を思いやることがなかったのです。
他にも業務の改善点が数多く見つかりました。改めて(顧客が何を期待しているかを、できるかぎり深く想像することが大切だ)と感じたのです。
どのような仕事でも、その場の状況に即した対応が求められます。常に相手の立場に身を置き、そして喜ばれる仕事をしようと思ったNさんです。
今日の心がけ【想像力を鍛えましょう】
24.10.28
『売る力』
「売り方」について考えている企業は、世の中にどれくらいあるでしょうか。マニュアルに沿い、マニュアルをもとに進行させるケースが一般的でしょう。
「売る能力の高い人間は、たとえ性能が低い商品であっても、頭を使って工夫をすることができる。売る能力が低い人間の場合は、商品が素晴らしくとも、その良さを伝えきれないままに終わってしまう」という指摘があります。
つまり「売る能力」こそが重要であり、決まった売り方を身につけている人よりも、独自の売り方を考えられる人材が求められる時代だといえます。
現在のようにモノが溢れている時代では、商品や性能は各自の好みよるでしょう。そうなると「商材」よりも「人材」が重要となり、人的な部分をまず固めておけば、会社は常に伸長を続ける可能性が生じます。
会話力や共感力をはじめ、その人の醸し出す雰囲気などは、大きな戦力になるでしょう。自社商品の販売に何が必要なのかを見極め、また「人材」としての自己能力を高めて、業務につなげていきたいものです。
今日の心がけ【売り方を考えましょう】
24.10.27
『社の顔』
設備工事会社に勤めるEさんが、給湯器の修理に出かけた際のことです。機器を確認したところ、修理は不能で、新切入れ替えをすることになりました。
迅速な対応を心がけたEさんは、資材問屋の営業担当部署へ機器の在庫確認をしました。しかし「わかりません…」と沈黙する先方の対応に、仕方なく他者へ依頼することになりました。
電話対応や受付業務の対応時に「わかりません」という言葉は、対応者のみならず会社の信用も失わせます。それはたとえ新人であっても同様です。
自身の業務内容を把握していれば「わかりません」から「確認します」へと回答は変化しますが、実際の現場ではわからないことも多くあるでしょう。
その際。わからないことを個人で抱えるのではなく、上司や先輩に相談するなどの対処が求められます。場合によっては他部署との連携を強化することで、自身の担当業務に広がりも出てくるでしょう。
個々人が「社の顔」としての自覚を持ち、責任ある言動を保ちたいものです。
今日の心がけ【「わかりません」を一掃しましょう】
24.10.26
『今の自分を』
ある研修セミナーの会合に初めて参加したAさん。偶然にも、中学の時に問題児として有名だったYさんと遭遇しました。
Aさんは、そのYさんがセミナーの責任者を務めているのを見て、とてもガッカリしました。Yさんにそのことを率直に話すと「確かに君の思うとおりだ」と言って、次のように続けたのです。
「自分は人生の底辺にいた。ここでも自分より人格が上の人ばかりだが、自分を一所懸命磨いた時間と量では、絶対に誰にも負けない」
そしてAさんの目を見て「自分のような人間でも変わることができた。過去の自分を見るのではなく、今の自分を見てほしい」と強く言ったのです。
この言葉に感動したAさん。人と自分を比べるのではなく、自分自身が社会の役に立つ人間になるよう、少しでも自分を磨いていこうと思ったのでした。
人は、良い方向にも変わりますし、悪い方向にも変わります。現在よりさらに高みを目指して、切磋琢磨していきたいものです。
今日の心がけ【ひたすら自分を磨きましょう】
24.10.25
『張り紙』
地方出張の多いT氏。時折、駅のトイレを使うことがあります。最近は多くのトイレに『張り紙』がしてあるようです。
『いつもきれいに使ってくださり、ありがとうございます/駅長』などの内容が書かれてあり、中には駅員が頭を下げているイラスト付きもあります。
これから使用するのに、先に言われると(汚すわけにいかない)とT氏は思いました。人は信じられると悪いことはできないものです。
また、別の張り紙に『一歩前へ! その積極があなたの人生を変える』とあるのを見た時、なぜかその言葉がジーンと胸に沁みたのでした。
会社の上司や先輩からは「前向きに、積極的に仕事せよ」とは教えられてはいました。しかし、頭では理解するものの、なかなか積極性を出せず、今回の張り紙との出合いによって(確かにそうだ)と心を転換したのでした。
営業で上手くいかないことが続き、気落ちしていたT氏にとって、気を取り直して(よし、頑張るぞ)と気持ちを一新するきっかけとなったのです。
今日の心がけ【前向きに生きましょう】
24.10.24
『仕事の期限』
どのような仕事にも期限があります。時間単位や一日単位の短期的なもの、年度目標や決算業務などの中長期的なもの、さらには3ヶ年計画・5ヶ年計画のように永井期間をかけて期限を設定するものもあります。
自身の担当業務に自ら期限を設ける場合もありますが、多くは社内において策定された方針に基づいて、目標等が明示されます。その上で、各担当が決められた期限内にやり遂げることが求められます。
与えられた立場や役割の中で、目標達成に向けて全力を傾けることは当然ですが、結果として一歩及ばなかったという経験は、誰にでもあるでしょう。
その際には、原因を究明して改善点を見いだし、速やかに軌道修正したか、あるいは他人に責任転嫁して言い訳をしたかで、その人の職務能力や会社内外の評価が大きく違ってきます。
期限内に仕事の結果を出せなかったとしても、決して言い訳をせず、直ちに改善策を掲げて、さらなるステップアップを図っていきましょう。
今日の心がけ【期限内に仕事をやり遂げましょう】
24.10.23
『己に勝つ』
剣道の稽古に打ち込むIさんは、師範から平常心を保つよう指導されています。さらに、試合に勝つには日々の鍛錬が大事だとも教わっています。
変わることのない地道な体力作りや技の練磨を続けることで、心が磨かれていき、感情の起伏を抑え得る精神力が磨かれていきます。
こうして磨かれた心・技・体(しん・ぎ・たい)の一致が、本番の試合において有効となります。まさに、日々の鍛錬の賜物だといえるでしょう。
職場でも専門的な技能の習得が求められる場面が多くあります。その時に自らの心はどのように働いているかを省みましょう。「できる、できない」といった責任を第三者に押し付けて、投げ出してしまうことはないでしょうか。
責任から逃れることは、一見すると楽に感じられます。ところが、実は自分自身の内面にある心の成長を止め、技術力を衰えさせてしまうのです。
目の前に与えられた仕事に対して(きっとできる)と強く信じる心を持ち、本日の業務に正面から向かっていきましょう。
今日の心がけ【与えられた業務に精励しましょう】
24.10.22
『プレッシャーの先に』
ロンドンオリンピックの卓球・女子団体で、日本チームは初のメダルとなる銀メダルを獲得しました。チーム最年少で活躍したのが、石川佳純選手です。
オリンピック初参加の石川選手は、シングルスでも四強入りの快挙を果たしました。オーストリアのリ・カンビン選手との対戦で第一・第二ゲームを失った際には「卓球を始めて一番緊張しました」とプレッシャーがあったといいます。
私たちも初めて行う仕事や、今までにない高いレベルの仕事に挑戦する際に、プレッシャーを感じることは少なくないでしょう。
プレッシャーを感じると、普段と違って身構えて力みが入ってしまいます。しかし一方で、良き緊張感となって、心に張りが出てパワーが全身にみなぎり、持てる実力が十分に発揮できることもあるのです。
押しつぶされそうなプレッシャーを、自分の力に変えるコツは、結果を気にせず喜んで事態を迎えることです。プレッシャーのかかる場面に遭遇したなら、
≪この時、この場に居られる喜び≫を感じつつ前進していきましょう。
今日の心がけ【今の状況を喜んで受けましょう】
24.10.21
『近所づきあい』
昨今、人と人との関係が希薄になってきていると言われます。ともすると、人間関係の煩わしさを避けるような傾向があります。
しかしながら、誰とも接触せずに、一人ぼっちのままで、孤独に耐えられるほど、人間は強くありません。「人間」という漢字も「人」という字も、他者とのつながりを意味しています。
人間関係の中で意外に大切なのは、近所づきあいではないでしょうか。「遠くの親戚より近くの他人」といいます。何か困ったことが起きた時、すぐに駆けつけ、力になってくれる近所の人たちの存在は心強いものです。
日ごろからの近所づきあいが、いざという時の防犯や非常事態の際にも応援団になってくれるのです。
同様のことは、地域の一員である企業にもいえます。東日本大震災以降、災害対策上からも地元の住民や他企業との協調が求められています。
地域との共生を念頭に、職務に取り組みたいものです。
今日の心がけ【地域との連携を大切にしましょう】
24.10.20
『言葉の力』
ふだん私たちは、言葉を発したり、文字に書いたりして、自分の意思や感情や考えを他人に伝えています。
時代によって新しい言葉も生まれますが、多くの言葉は長い歴史の中で育まれてきたもので、それだけに重みがあり、伝統があります。
一方で、私たちは言葉によって、自分の考えや感情や情緒を形成していきます。言葉を知り、使うことによって、私たちは人間になるといってもよいでしょう。
言葉は、自分の生活や生き方を変えるとともに、人の生活や生き方を変える力を持っています。
感謝や思いやりの言葉は、人の心を豊かにし、自分の心も豊かにします。鼓舞する言葉は、人を勇気づけるとともに、自分をも力づけます。
言葉は、私たちの心を善いほうへ導く力を持っています。敬いの言葉、励ます言葉、希望の言葉など、心を豊かにする言葉によって職場や家庭を明るくしていきたいものです。
今日の心がけ【豊かな言葉を使いましょう】
24.10.19
『胸中の温気』
『職場の教養』は、朝礼用の冊子として37年の歴史を有します。朝礼で用いる中で大切なことは、その日の内容から気づきを得た事柄を、職場生活に活かして実行に移すところにあります。
江戸時代の思想家・二宮尊徳は、書物からの学び方について「氷」の喩えを用いて、次のように説明しています。
「書物というものは、良い教えを封じ込めた氷のようなもので、これを役に立つようにするには、氷を融かす温気が胸中になければならない」というのです。職場人にとってのそれは、仕事に対する情熱や目的意識と考えられるでしょう。
また尊徳は「書物の中の教えというものは、織物でいうと経糸(たていと)で、横糸にあたるのが実行である。経糸だけでは織物は作れない」とも論じています。
尊徳の教えは書物に限らず、様々な情報の活かし方を示しているといえるでしょう。心に「氷」を融かす温気はあるか、実行という「横糸」はあるか、自らの生活を振り返り、さらに良い仕事をしていきたいものです。
今日の心がけ【気づきを活かしましょう】
24.10.18
『実りの秋』
秋は実りの季節です。その昔、日本は瑞穂の国といい、稲作を中心に栄えてきました。春に蒔かれた籾は苗床で成長し、田植えによって広々とした水田に移植され、梅雨の雨や夏の強い日差しを受けて伸び栄え、やがて秋に実るのです。
米作りは、八十八もの手間がかけられることから「八」「十」「八」を組み合わせた文字が「米」になったという説もあります。
戦後の食糧難時代に生まれたAさんは、稲作農家に育ちながら、米を思う存分に食べさせてもらえませんでした。当時の農家は「米は売るもの」で自らはサツマイモや麦を混ぜて食べ、米は必要最小限の脇役でした。
Aさんが小学生だった時、学校で食べた弁当箱を持ち帰り台所に置いたところ、洗い始めた母親に「ご飯が一粒残っている!」と、大変に叱られました。それからは外食も駅弁のご飯も一粒残さず食べ、今も習慣になっているとのことです。
米に限らず、野菜、果物などすべての食べ物には命があります。その命をいただく人間が「いただきます」と感謝して食べるのは当然の行為でしょう。
今日の心がけ【感謝して食べましょう】
24.10.17
『会社の真髄』
東京都墨田区にあるヒロカワ製靴の廣川雅一社長は、34年前に先代から引き継いだ自社ブランド「スコッチグレイン」の品質を100人の靴職人と共に守りつつ、新たな商品開発に取り組んでいます。
この会社の原点は、終戦直後で物資が乏しく、どんな物でも売れた時代に、若き靴職人だった先代の社長が「品質主義」を第一に掲げたところにあります。
現在も大量生産やコスト競争の渦中にあって、手間をかけたこだわりの靴を作り続けています。人気ブランドとして存在する背景には、創業時からの理念を貫こうとする職人たちの心意気があると考えられます。
変えてはならない「本質」を軸に、常に新しく変化していく重要性は、いつの時代も不動の真理といえます。企業の理念は、その会社の本質を表しています。それを社の真ん中にドンと置き、日々の企業活動を進めているのです。
自社の真ん中にあるものは何か、拠りどころとすべき原点は何であるのかを考えることで、職場人としての意気は高まっていくでしょう。
今日の心がけ【会社の本質を考えてみましょう】
24.10.16
『遊働一致』
働きに与えられるものが『報酬』であり、働きに伴うものは『喜び』です。どちらも優先すべきものではありますが、報酬を取ってしまうのが常でしょう。
「お金がなくては生活が維持できない」という理由により、働く喜びが先であると受け取るのは、実際のところ容易ではありません。
兵庫県姫路市にあるファーストフードのL店では「制服の時だけが仕事ではない」がモットーです。スタッフの誰もが、より良い職場づくりに励んでいます。
笑顔の挨拶は爽やかで、一人ひとりに活気があります。従業員出入り口から私服姿で出ていくスタッフは、その場にいるお客様に笑顔で挨拶。続いて出てきた一人が、灰皿の片付けを始めました。オンとオフの差を見せない徹底ぶりです。
仕事の味わいとは、楽しいことをしている姿から生まれます。まるで遊んでいるかのように楽しく働くことで、イキイキとした仕事が可能となります。
それには伸び伸びとした心身であることが必要です。縮こまった殻を破り、堂々と、悠々と、そして清々しい心と体で仕事を進めていきたいものです。
今日の心がけ【イキイキと仕事を進めましょう】
24.10.15
『活きたフグ』
企業家仲間の集まりに参加したS氏。寿司折詰・各種お弁当の販売をしているK社長から、輸送中にフグが死なない方策について興味深い話を聞きました。
「下関のフグを生きたままどうやって東京に輸送しているのか。それは水槽の中に、フグの天敵であるカワハギを入れることによって、フグは常に危機感を持ち続ける。それによって死亡率は大幅に下がった」というのです。
フグにとって、一定のプレッシャーは生きる上での必要条件だったのです。これはフグの世界に限らず、人間にとっても同じことが言えるでしょう。
ミスタープロ野球こと長嶋茂雄氏も、現役時代に天覧試合などプレッシャーがかかる試合に強く、その中で打席に立てること自体に感謝していたといいます。
一緒にいると緊張させられる人間を、職場ではつい敬遠しがちです。しかし反対に、プレッシャーのない空気は、時として緊張感に欠けた場になりがちです。
何事も適度な負荷をかけなければ、現状からの変化は望めません。プレッシャーがなければ、楽な毎日であるかわりに、未来は何も変わらないままなのです。
今日の心がけ【プレッシャーを維持しましょう】
24.10.14
『知恵を出し合う』
接客の基本的な形は、まず顧客を迎える挨拶から始まります。顧客の要望を正確に聞き、サービス・商品を提供してその対価であるお金を頂戴し、最後にお見送りの挨拶で終わります。
この一連の対応は必要最低限のものであり、いずれも大事なことですが、これはあくまでも接客する側の手順です。重要なのは、その接客により顧客が受ける印象の善し悪しでしょう。
雑誌『暮らしの手帖』編集長の松浦弥太郎氏は「自分が関わった働きが人の心にじんわりと沈み、いくばくかの感動を人に与え、いつまでもその感動が心の底に残るようなものであって欲しい』と述べています。
「いい店だった」という顧客の反応の裏には、その店の商品の良さとともに、顧客の心に響く何かを必ず備えているものです。それは、顧客の視点に立って生まれた知恵であり、絶妙な心遣いから生まれたものかもしれません。
人に喜びと感動を与える接客を目指して、知恵を出し合ってみたいものです。
今日の心がけ【心に沁みる接客をしましょう】
24.10.13
『常在戦場』
物事が計画通りに進み、順風満帆であれば、これほど楽なことはありません。しかし今は順調でも、今後何が起きるかは、誰も予測することはできません。
だからといって先々を心配したり、憂えたりする必要はまったくありません。では、日頃からどのような心構えでいればよいのでしょうか。
作家の池宮彰一郎氏は、著書『平家』の中で、武士としての本分を次のように記しています。
『武士たる本分は常在戦場。常に戦場に在るの心掛けを持つことに尽きる。武士たる者はその機に臨み変に応ずるの心掛けが無くては適わぬ』
職場はある意味では戦場です。『慣れ』や『気の緩み』が思わぬ問題を引き起こします。その戦場で働く者として『常に真剣勝負の場にいる』との自覚と、『どのような状況の変化にも機敏に対応する』という柔軟さが必要です。
働ける現状への感謝と、仲間と共に創り上げていく喜びを、ひと時も忘れることなく、凛とした心持ちで日々の仕事に取り組んでいきましょう。
今日の心がけ【緩みのない心で臨みましょう】
24.10.12
『必要とされる人』
企業で必要とされる人物像、あるいは条件とは、どのようなものでしょうか。
まず、牽引力を持ったリーダーが思い浮かびます。しかし、リーダーも周囲の承認や支援を得て事業を成功に導くわけですから、多くの協力が必要です。
一般職においても、勇気、信念、正義感、責任感、決断力、計画性、明るさ、思いやりのある心遣いなど、多くの能力を求められます。
吉野家ホールディングスは、今年9月1日付で、新社長に河村泰貴取締役が昇格する人事を発表しました。同社で約5年アルバイトとしての経験を持つ氏は、異例の昇進を果たしたといえるでしょう。
同日付で代表権のある会長に就く阿部修仁氏の目に留まったのは、河村氏の経営改革に取り組むスピードと実行力だったといいます。
仕事を頼まれた時は、それを処理する最高のチャンスです。即行・即決は、物事を成就させる秘訣であることは、多くの先人が証明するところです。
様々な仕事に従事する私たちにとっても、必要な要件と心得たいものです。
今日の心がけ【すぐ動きましょう】
24.10.11
『実行は足下から』
経営者のM氏は、地元の多くの団体に所属し、著名人をはじめ多くの成功者の話を聴講してきました。
ある時、M氏は若手経営者のためのセミナーに参加しました。セミナー終了後、懇親会の席でメンバーの一人が「今日もいい話を聞くことができた。明日からまた頑張るか…」と満足気に言ったのです。
その一言にM氏は、≪今まで自分も彼と同じように、セミナーの話を聞くことだけで満足していた≫と気づかされたのです。
M氏は、興味のある内容の話や好きな著名人の話は、集中して聴講していたことを思い出しました。しかし、興味のない話の場合はただ足を運んだだけで、メンバー同士ロビーで雑談をして、時間を無駄に過ごすこともありました。
多種多様なセミナーに参加する中で、自分がおかれた状況に合致する、強く心に響く話に出合うはずです。聞いた話を、ただ「良かった」と終わらせるのではなく、実行に移して結果を積み重ねることが、成功につながっていくのです。
今日の心がけ【学びを実行につなげましょう】
24.10.10
『名前の由来』
私たちには、それぞれに自分の名前があります。自分の名前が付けられた由来を、皆さんは知っているでしょうか。
古典落語に『寿限無(じゅげむ)』という噺(はなし)があります。我が子が長生きできるような名前を付けたいと、寺の住職に相談をする内容です。
そこで付けた名前が≪寿限無寿限無、五劫の擦り切れ、海砂利水魚の水行末、雲来末風来末、食う寝る所に住む所、ヤブラコウジのブラコウジ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコパーの長久命の長助≫です。
*** 名前の読み *** (じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきれ、かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ、うんらいまつふうらいまつ、くくねるところにすむところ、やぶらこうじのぶらこうじ、ぱいぽぱいぽ、ぱいぽのしゅーりんがん、しゅーりんがんのぐーりんだい、ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこぱーのちょうきゅうめいのちょうすけ)
この長い名前には、無限の寿命を表わす『寿限無』など、たくさんのめでたい言葉が入っています。『長生きして幸せになってほしい』という親の願いが込められています。
名前には両親が託した思いがあるはずです。自分の名前の由来を知り、その願いに叶うような人間に成長したいものです。
今日の心がけ【名前に自信と誇りを持ちましょう】
24.10.09
『キレない心』
「短気は損気」という格言がありますが、最近、中高年層の男性に『キレる』人が多くなっているといわれます。
Sさん夫婦が住宅を購入するために、ハウスメーカーのT社を訪ねました。営業員のキャリアを積んだ風格と姿勢に安心し話が進みました。
複数の物件を見学することになり、車で回っている途中でのことです。道幅が狭い道路で、対向車と鉢合わせとなってしまいました。
双方に譲る様子は一切なく、T社の営業員が車を降りて、道の真ん中で口論となったのです。営業員がキレた姿を見たSさん夫婦。特に夫人は怖くなり、T社への不信感が募って、大きな買い物だけに契約には至りませんでした。
喜怒哀楽の『怒る』という感情は、時として必要なものですが『キレる』こととは違います。キレるのは、多くがエゴに凝り固まった言動から始まるものです。
『キレる』のではなく、物事を切り回す『切れ者』になるという、プラスの方向を目指したいものです。
今日の心がけ【冷静に対応しましょう】
24.10.08
『父と子の入浴』
働く父親にとって、風呂場は子供とのコミュニケーションの場となるようです。
大手化粧品メーカーが、小学生の子を持つ父親と小学生の各600人に、アンケートを実施しました。『父親と入浴している子供』の70%は『お父さんに隠し事がない』『あまりない』との回答でした。
『お父さんから怒られた後、お父さんを嫌いになるか』の問いに、父親と入浴習慣がある子供は51%が『嫌いにならない』と回答し、父親と入浴習慣がない子供の35%を上回りました。
親子で一緒に入浴する習慣は、信頼の絆を深められるのと同時に『叱る側』『叱られる側』という関係も深めることに繋がるようです。お互いに信頼できる関係であるならば、叱られても子供は理解できるはずです。
家庭では『父親の仕事』はありますが、子供の世話だけではなく、子供との信頼関係や、さらには妻との信頼も深めていきたいものです。
子供や妻の喜ぶ空間は、きっと家庭の安らぎの空間となるでしょう。
今日の心がけ【子供と触れ合いましょう】
24.10.07
『使い方に人柄が出る』
昭和59年発券の五千円札の肖像画になった新渡戸稲造は岩手県生まれの教育家で著名な国際人でした。
この新渡戸の言葉に「金銭を正しく得ることは難しいがゆえに貴く、金を正しく使うことはさらに難しい」というものがあります。
たしかにお金を手に入れることは、容易ではありません。「金は天下の回り物」といっても、なかなか自分のところへは回ってこないものです。
私利私欲に凝り固まり『自分さえよければいい』とひたすらお金を貯めることに懸命で、世間のためにはビタ一文も出したくないという人がいます。一方で貧しい財布の中からも、自分が今やれる範囲で精一杯の奉仕をする人もいます。
闇雲にお金を散在する人もいたりと、まさにお金とは、使う人の人柄がそこに表れるのです。
お金に振りまわされる人生ではなく、思い切ってお金を働かせる人生へ、自らを高めていきたいものです。
今日の心がけ【生きた金銭の使い方を心しましょう】
24.10.06
『アドバイス』
娘が出産し、初孫に恵まれたAさんは、自分の育児体験を思い出しました。
Aさん夫婦は親元から離れて暮らしていたため、毎日、子育てに無我夢中でした。すべてが初めて知ることで、余裕がまったくありませんでした。そのような中で救われたのは、近くに相談できる先輩がいたことでした。
Aさんは自身の経験から、よかれと思って娘にアドバイスをしました。しかし、「わかっている。今、やろうと思っていた」とうるさがられます。
ある時Aさんは、育児に四苦八苦する娘を見るに見かねて、問われる前に意見をしてしまう自分に気づきました。その後は『尋ねられてから、助言すること』を心がけるようにしたのです。
『不要な心配はしない』と決めてからは、娘との仲は次第に改善されていきました。今では娘のほうから、アドバイスを求める連絡が入るようになったのです。
Aさんは歩くようになった孫に、得意の裁縫の腕を活かして洋服を縫う楽しみを満喫しています。
今日の心がけ【的確なアドバイスをしましょう】
24.10.05
『家事の尊さ』
いつも明るく溌剌(はつらつ)としているAさんが、沈んだ表情で出社してきました。朝礼での挨拶練習でも、声は小さく元気がありません。
上司のHさんは気になって「何かあったのか?」と声をかけました。Aさんは上司に、前の晩に妻と口喧嘩したことを打ち明けました。「家事は仕事よりも楽だろう!」とお酒を飲んで酔った勢いで言ってしまったというのです。
Hさんは「家事は掃除、洗濯、子供の世話など、いずれも暮らしの中で必要な仕事だ。食事の支度は、私たちの健康や生命に直接かかわる営みでもある。家事は日常生活の足下を支える大切な仕事なのだよ」と説きました。
Aさんは時折、深く頷きながら「はい、わかりました」と答えました。翌日、晴々とした顔で出社してきたAさん。「昨日はアドバイスをありがとうございました。お陰で妻と仲直りができました」と、Hさんに元気よく告げました。
家族の支えがあって、私たちは職場で仕事に向かうことができます。働く形態は違っても。共に尊い働きをしていることを忘れずにいたいものです。
今日の心がけ【家事を尊びましょう】
24.10.04
『前を見て歩こう』
営業で外を回るKさんは、歩道で人とすれ違う際に危機感を持っています
それは、前を見ないで歩いている人が多いからです。イヤホンをつけて、携帯電話や音楽プレーヤーなどを操作している人が増えてきたと感じています。
ある日、Kさんの前方から女性が歩いてきました。女性は携帯電話の画面を凝視し、まったく気づく様子がありません。Kさんは避けようとせず、ギリギリまで待っていました。
危うくぶつかりそうになったところで、その女性が≪何をしているの、道をあけなさいよ!≫と言わんばかりの形相で睨みつけ、通り過ぎて行ったのです。
言葉を失ったKさんは、≪ここは公共の場だぞ!この道は自分だけの道じゃないんだ!≫と心の中で叫びました。
私たちは多くの物に囲まれて生活をしています。物を自分勝手に我がままな気持ちで使っていると、取り返しのつかない事態を引き起こしたりするのです。
公共の場をしっかりわきまえて、個々人が注意をしていきたいものです。
今日の心がけ【ルールやマナーを守りましょう】
24.10.03
『気づきを見おくった結果』
Mさんが初めて地域に出張した際のことです。一つ目の仕事を夜遅くに終え、翌日は別の地域へ移動することになっていました。
次の目的地へは、鉄道を使うルートで切符を購入していましたが、現地の情報でバスを使う別ルートのほうが便利で早いことを知りました。
(バスのほうがいいかな)と一瞬、思ったものの、(切符を払い戻すために、駅へ出向くのも面倒だ)と考えたMさん。当初の予定通りに、鉄道での移動を選択しましたが、直前に急な電話が入り、予定の列車に乗れなくなってしまいました。
(バスの出発時刻には、まだ間に合うな)と思いつつ、慌てて次の便に乗りましたが、今度は乗った列車が車両故障で、立ち往生する事態となったのです。
結局、二度の気づきを見送ったMさん。「気づくと同時に行なう」という習慣は、物事を成功させる秘訣だといわれます。生活の中にある様々な気づきを、自らの意思で無駄にすることは、進んで失敗する道に入っていくようなものです。
「気づきは大自然がくれるメッセージ」と心得て、素直に順応したいものです。
今日の心がけ【気づきに対して素直に順応しましょう】
24.10.02
『寝るのも仕事』
物事をうまく運ぶためには、良いスタートを切ることが肝要です。
それには一日のスタートである朝こそ大事です。ダラダラせずにサッと起きることは、その日をより良く生きる秘訣といえるでしょう。
あわせて、一日の締めくくりである夜の過ごし方にも気を配りたいものです。夜は一日の終わりであると共に、翌日をより良くスタートするための準備でもあるからです。夜の過ごし方が乱れれば、翌朝にも影響するでしょう。
睡眠の役割の一つは、「活動に適さない時間帯に、無駄なエネルギーを使わないようにすること」だといわれます。
すなわち、元来、夜は活動に適さない時間帯なのです。夜は早めの就寝を心がけ、十分な睡眠時間を確保することが自然の摂理なのです。寝不足の状態で職場に行っても、十分な働きはできないでしょう。
一日を無事に過ごせたことへの感謝で心を締めくくり、安らかな眠りで体の疲れを癒しましょう。睡眠はエネルギー充填のための大切な働きなのです。
今日の心がけ【生活のリズムを整えましょう】
24.10.01
『余計な一言』
職場は、人と人との交わりのもとで仕事をするところだけに、摩擦やトラブルが発生しやすい場ともいえます。その原因の一つに、余計な一言があります。
単なる会話の流れで、その場にいない人の話を冗談めいて言ったことが、いつの間にか相手に伝わり、人間関係を損なうことがあります。親しい同僚や先輩、あるいは部下だからとの油断があるようです。まさに「口は禍の元」なのです。
「ここだけの話」「君だけに話す」と、口止めしたはずが漏れてしまったという、悔しい経験は少なくないでしょう。しかし、「口から出れば世間」との諺があるように、一度口から出た言葉は、どんな隠しごとでも世間に広がるものです。
ことに、批判的、否定的な言葉は、尾ひれがついて広まります。つまり、「ここだけ」「君だけ」は、親しい人から親しい人に伝達されて、最終的には、とんでもない話になっていくのです。
良き職場関係を保つには、常日頃から人の美点を見る心が大切でしょう。そうすれば会話が明るく楽しいものに、きっとなるはずです。
今日の心がけ【不快な言葉を慎みましょう】
24.09.30
『イキイキ働く』
T君は女性の先輩Yさんとの会話に、話を弾ませていました。
年齢の話題になり、Yさんは「女性に年齢を聞くのは失礼よ」と笑いながら、「今年で○歳になったのよ」と答えました。
T君は大変驚きました。なぜなら、Yさんはいつも大きな声に明るい挨拶、笑顔もとても素敵です。Yさんが部屋に入ってきただけで、雰囲気が明るくなり、周囲の人たちも元気になります。
そして何よりも、仕事にイキイキ取り組んでいる姿が輝きを放ち、まったく年齢を感じさせないのです。
T君は、アンチ・エイジングは食生活の改善だけではなく、日頃の言動や心の持ち方も大きく左右しているのではないかと思いました。
「Y先輩に倣って、いつもより大きな声を出して挨拶しよう」と心がけたT君。自然に元気が出てきて、やる気が漲ってきました。
先輩の良い点は大いに真似て、張りのある職場生活を送りたいものです。
24.09.29
『沙漠の森(さばくのもり)』
中国の内モンゴル自治区・恩格貝にあるクブチ沙漠で、十二年ぶりに植林ボランティアに参加したWさん。沙漠の大きな変容に、驚きを隠せませんでした。
その地は、日本沙漠緑化実践協会の初代会長である故・遠山正瑛氏が、八十三歳で植林を始めた所です。氏は「沙漠緑化は、やればできる。やらなければ何もできない」と、各地の講演会で植林を呼びかけました。
遠山氏は、とにかく行動することの重要性を強調しました。しかし、十二年前のWさんは植林はしたものの、広大な沙漠を目の当たりにして「自分が数本の木を植えて何になる」と諦めと侘しさに押し潰されて帰国したのです。
ところが、かつてWさんが植林をした果てしない沙地(すなち)は、背が高く幹の太いポプラの森になっていたのです。Wさんは、自分たちが十二年前に行動し、その後も多くの人たちの手で続けられてきた威力を思い知り、涙が止まりませんでした。
考えることは重要です。しっかり考えた後は、行動に移すことがさらに重要です。立ち止まらず行動して、成果を得たいものです。
24.09.28
『他者の視点』
朝礼時に自分が行っている発声や姿勢は、周囲の人たちの目には、どのように映っているのでしょうか。
P社では週に一回、基本姿勢の実習をしています。Sさんは「気をつけ」の号令と同時に、自分なりに美しい姿勢を意識して立ちました。しかし、リーダーのMさんから「背筋を伸ばして、顎を引いて」との指摘を受けたのです。
即座にその通りに修正すると、美しい姿勢を保てるようになりました。ところが隣に目をやると、リーダーから指摘を受けたことで、不服そうな顔で姿勢を正す同僚の姿がありました。「自分は正しい姿勢だ」と言わんばかりの態度です。
自己の認識と他者の見る姿は実際には違うことからもわかるでしょう。
自己を客観視するのは難しいものです。朝礼での基本実習を通して(本人以上に、周りには自分の姿が見えているのだな)とSさんは実感しました。そして何らかの指摘を受けたなら、(まずは素直に受け止めよう)と決意したのです。
24.09.27
『考える力』
昨今、日本人は「思考能力が低下した」といわれます。
上司から、事務用品を発注するよう指示を受けたSさん。商品名と個数を確認して業者に発注しました。しかし、業者からは次のような返答がありました。
「大変申し訳ございません。ご注文の商品は生産中止となり、在庫のみとなっております。恐縮ながら、ご希望の数を揃えることができません。お手数ではございますが、カタログから別の商品をご注文いただけますでしょうか」すると上司は、
「業者の返答をそのまま伝えるだけならば、小学生でもできる。君の仕事は別の商品をリストアップし、私に提示することだ。」と言いました。
Sさんは受身の仕事ぶりを指摘されたのでした。職場人に求められる能力は『どのようにしたら仕事がやりやすくなるか』を考えることです。指示された仕事を指示どおりにこなすのは、あくまで新人の仕事の領域です。
その先の仕事を読む『考える力』を日々の業務で養っていきましょう。
24.09.26
『天から与えられた宝』
スポーツ選手は試合に際し、ベストコンディションで臨みます。体調が不良であれば、全力を出し切るのは難しいでしょう。体調管理は重要な実力の一つです。
これはスポーツ選手に限りません。「働き」を一定のルールに従って提供する以上は、何よりも健康管理に万全を期すべきでしょう。厳しく言えば、仕事のプロは「予防医学」のプロを目指さなくてはならないのです。
日々の節制と健康法の実践を疎かにし、安易に薬や病院に依存しがちな人は、自分の体に感謝するということを忘れています。
高価な宝石を粗末にする人はいません。大事な物は手入れを入念にします。自分の体がどんな宝石にも及ばない「至宝」であるという真実に気づけば、健康維持に向けた努力を怠ることはありません。
規則正しい食事や睡眠を保つと共に、独自の健康法を実施するのです。体重60キロの体は、その人にとって60キロのダイヤ以上に尊いはずです。
オンリーワンの我が宝器を尊び、いつも健康であり続けたいものです。
24.09.25
『一方的な善意』
Mさんは、海外援助を行うボランティア団体の講演へ行きました。そこで聴いた話に、深く考えさせられました。
それは、ある開発途上国へ小麦を大量に支援した際の話です。後日、人々が食糧が届いた喜びに沸くニュースと併せて、その国の小麦の値段が急落し、小麦農家が非常に困窮したと報道されたのです。
ボランティア団体は、支援の難しさを実感したといいます。それ以来、食糧を支援する際には注意を払い、当該国や周辺の国から食糧を購入するなど、状況を把握しながら支援するようにしたそうです。
Mさんは、善意の行為であっても、受け手の状況によって様々な影響が及ぶのだと知りました。(お客様だけでなく、同僚や、仕入先、取引業者の皆さんが喜んでくれるような仕事をしてきただろうか)と自身の仕事を振り返りました。
一つの方向だけで物を考えるのではなく、多方面に目を向けて仕事に励みたいものです。
24.09.24
『仕事へのモチベーション』
営業部で働く新入社員のTさん。業務が立て込むたびに「何でこんな大変な部署に来てしまったのだろう」と思い悩む日が続いていました。
日々の業務へのモチベーションも高まらず、積極的に働こうという意欲が湧きません。Tさんは(行きたい部署が他にあったからこそ、この会社に入社したのだ)という思いを引きずっていたのです。
同じ部署のY主任に相談したところ、過去にTさんと同じ壁を経験していたことを打ち明けてくれました。そして悩みの解決方法を教えてくれたのです。
Y主任は「君がこの部署に来たことには意味がある」「自分にしかできないことを精一杯やればいい」と、その当時の先輩に教えてもらったというのです。
「○○のせいで…」と嘆き、努力しないことは簡単です。それよりも「今、働ける」という環境や健康に感謝することが大切でしょう。
一つひとつの業務に対して(自分に与えられた使命だ)という思いに転換することができたTさん。業務に自覚を持って臨むようになったのです。
24.09.23
『チームプレー』
Kさんは宿泊ホテルで朝食を終え、部屋で帰り支度をしていました。
その時、ホテルの清掃スタッフが部屋に入りかけました。しかしKさんがいることに気づくと、すぐに外に出て、ドア越しに丁重にお詫びの言葉を述べました。そのスタッフが非常に恐縮している様子が、Kさんに伝わるほどでした。
間もなくして、Kさんがフロントでチェックアウトをしようとすると「先ほどは失礼いたしました」とフロント係が詫びてきたのです。
一瞬、何を謝られているのか理解できなかったKさんでしたが、清掃スタッフが間違って部屋に入ったことへの謝罪だとわかりました。Kさんはスタッフ間の連絡の早さに驚き、感動すら覚えたのです。
良い情報は誰でも伝えたいと思いますが、悪い情報は伝えづらいものです。しかし悪い情報を迅速に共有し、改善することが大事なのです。
ちょっとしたハプニングに遭ったKさんでしたが、その後の対応の良さによって、そのホテルのファンの一人に加わったのでした。
24.09.22
『悪口を言わない』
昼休みや終業後の居酒屋などで、会社の人間関係の不満を口にすることはありませんか。教育学博士の横山泰行氏は、ある漫画のキャラクターを例に挙げて「悪口を言わない人生」を送ることを提唱しています。
氏は「他人の素晴らしい面を素直に「いいな」と肯定する姿勢が必要です。こういう姿勢が、自分を成長させるための大きなエネルギーです」と言います。他人を肯定することで、自己の成長に貢献できるというのです。
人間は、他人の悪い点ばかりに目が行きがちです。しかし相手の良い点は良い点として認めていくことで、人と人との和は強固なものとなります。そのためにも、相手の「美点」の発見に全力で取り組むことが大切なのです。
Iさんは先輩・同僚の服装や靴などに注目して、それを褒めることを第一歩としています。そうすることで、隠れた心遣いなどにも気づくことができ、そしてさらに一歩を踏み込んで、相手の美点の発見に通じるといいます。
美点を褒める習慣を持つことで、きっと職場の雰囲気は変わります。
24.09.21
『初雁の声(はつかりのこえ)』
九月も中旬を過ぎると、各地から初雁の飛来が報告されます。
その年に初めてやって来る雁は、秋の深まりを告げる鳥として、古来より多くの和歌や俳句に詠まれてきました。中でも、戦国時代の武将・上杉謙信の次の和歌は有名です。これは魚津城を攻める軍営の中で詠まれたものです。
もののふの 鎧の袖を片しきて 枕に近き 初雁の声
「武士の鎧の袖を片方だけ敷いて寝ていると、枕もとに初雁の声が間近に聞こえることだ」という意味です。明日の命も知れぬ陣中で、鎧を着たままで体を横たえながら、謙信は初雁の声を聞いているのです。
大切な仕事に臨む時ほど、周囲の声に耳を澄ませる心のゆとりが必要です。職場における周囲の声とは、同僚、業者、そしてお客様の声にほかなりません。
周囲の動静に耳を澄ませることで、そこから生まれる「緊張感」「責任感」「連帯感」といったものが、適度に自分を高揚させてくれるのです。耳を澄ませる習慣によって、思わぬ心持ちが得られることでしょう。
24.09.20
『最高のスタート』
近年、始業前の朝の時間を、趣味や勉強といった活動にあてる「朝活(アサカツ)」が話題です。朝型の生活は、誰もが理想だと思うでしょう。しかし朝早く起きることに対して、苦手意識を持っている人も多いはずです。
医学博士の南雲吉則氏は、朝日を浴びて体内時計をリセットすると、幸せを感じるホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されるといいます。それにより、一日を充実した気持ちで過ごせるのです。
夜になると、セロトニンは睡眠ホルモンである「メラトニン」に変わり、ぐっすり眠れるようになり、早朝の爽やかな目覚めにつながると氏は指摘します。
日本人は古来より太陽を崇拝する民族です。朝日を拝むことにより、科学的に見ても健康で充実した生活を送れます。これは充実した一日を過ごすために、先人たちが自然と身につけていった文化であるともいえるでしょう。
朝は集中力も高まり、自分の趣味や勉強に没頭する絶好の時間といえそうです。目が覚めたら、まず朝日を浴びて、最高のスタートを切りましょう。
24.09.19
『糸瓜忌(へちまき)』
今日は、結核を患って三十四歳の若さで死んだ正岡子規の命日「糸瓜忌」です。
子規は死の際に「糸瓜咲きて 痰のつまりし 仏かな」「をととひの へちまの水も 取らざりき」という辞世の句を詠んでいます。当時、糸瓜の汁は咳止めの薬として使われていました。
子規が病床に臥していた際に綴った随想『病床六尺』に「悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬる事かと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」という一節があります。
死に至る病と向き合いつつ書かれた同書には、肉体的・精神的苦痛さえも客観的に見つめる冷静さと、貪欲なまでに生に執着した明るさがあります。
人生には様々な苦難が訪れますが「どんなに絶望的な状況でも必ず希望はある」ということを、子規はその人生から教えてくれています。
苦難に直面した時こそ、希望の灯を燃え立たせましょう。苦しい時は苦しいと自覚し、そこから自らの中に秘める「反発心」を呼び起こしたいものです。
24.09.18
『見えない相手にこそ』
大型ホームセンターに勤務して七年目になるYさん、今年の四月より、販売担当から内勤業務の「お客様相談センター」へ異動となりました。
業務は主にお客様からのクレーム対応です。電話や窓口での対応に加えて、時にはお客様の自宅に謝罪に出向くこともあります。
憤慨している人、チクチクした物の言い方をする人など、じつに様々です。Yさんは毎日のようにマイナスの言葉を聴き続けて、うんざりしてしまいました。
そんなある日、先輩Mさんの電話応対にハッとさせられました。受話器を持って即座に立ち上がり「申し訳ございませんでした」と腰を九十度に折ってお詫びをします。そして、その後すぐにクレーム対応が終了してしまうのです。
Mさんに理由を聞くと「電話では姿が見えず、言葉だけのやり取りだけど、気持ちは不思議と伝わるんだよね」と言うのです。Yさんはいつの日からか、電話の相手に対して嫌がる気持ち、疑う心が先に立っていたことに気づいたのです。
それ以来、Yさんは、お客様一人ひとりに誠意を持って対応しています。
24.09.17
『経験に勝る』
今日は「敬老の日」です。日本の過去と現在を担ってきた多くのお年寄りの存在に、国民の皆が思いを馳せる日です。
昭和二十二年、当時の兵庫県多可郡野間谷村の門脇政夫村長らが、村内に提唱した「としよりの日」が始まりといわれます。
お年寄りの知恵を借りて村づくりをしようと、農閑期の九月中旬をその日に決めたのでした。それが全国へと広まっていき、昭和三十九年には「老人の日」として設置され、翌四十年に「敬老の日」となったのです。
家庭の中で敬老の精神を持って生活することは、夫婦・親子の関係を豊かにしていきます。経験に勝るお年寄りを敬う気持ちは、そのまま若いメンバーへの躾となって、温かな家族関係を築いていく源となるでしょう。
「年は寄れども心は寄らず」という諺があります。「まだまだ自分は若い」と思っているお年寄りは多くいます。今日一日を「お年寄りから知恵と元気をいただく日」とし、その気力に満ちた言動に触れたいものです。
24.09.16
『段取り力アップ』
どんな職場でも、最後に必ず行うべき仕事は「後始末」です。飲食店に勤務するYさんは、身をもってその大切さを体験しました。
Yさんは入店二年目になっても、厨房の流れがよくつかめていませんでした。洗い場で食器が山積みになっていると、調理中の包丁やまな板をそのままにして、洗いものに走るという慌てぶりです。
ある日、I先輩から「包丁がそのままでいいのか?慌てなくてもいいから、まず後始末をしなさい」と注意を受けました。Yさんはその指示に従いました。
それ以降、洗い場から調理場に戻ると、整頓された包丁やまな板をすぐ手に取れるようになりました。心地よさと共に、調理の能率も上がったのです。
後始末は単に物を片づけるだけではなく、物を大切にする心を養います。さらに意識して実践を深めると、仕事に向かう気持ちに区切りがつき、先々まで見通せる「段取り」の力がアップしていくのです。
職場の一人ひとりが後始末を徹底し、仕事の質を高めていきましょう。
24.09.15
『念を入れる』
「念」という字が、今の心と書くように「念ずる」とは、ひたすら今を大事にする心のことのようです。それは目の前の物事に心を尽くすことであり、目の前の仕事やお客様を大切にする行為といってもいいでしょう。
仕事の成功や失敗は、一瞬一瞬の取り組みの結果に他なりません。経営者のM氏も「やっただけのことはある」を持論に、大きな業績を上げてきました。
「やればできる。物事は努力しただけ必ず成果となって表れる」と、いい加減な仕事ぶりを社員にも戒めたのです。
人の思いは目に見えないだけに、ともすると軽く扱われがちです。しかし、おむすび一つとっても握る人の思いが伝わるように、念を入れた働きは、そこに関わるすべての人々に力を与えずにはいられないのです。
詩人・坂村真民(サカムラシンミン)の詩の一句に「念ずれば花ひらく」とあるように、願いを心に留めた取り組みは、やがて成就の花が咲きます。今、目の前にある仕事こそ、私に託された、私にしかできない尊い仕事と受け止めて、心を尽くしましょう。
24.09.14
『百円玉貯金箱』
Mさん夫婦の間では「面倒くさい」という言葉を一回使うたびに、百円玉を貯金箱に入れるというルールがあります。
このルールが作られたきっかけは、Mさんが発する「面倒くさいな」という口癖を、あまり良く思っていなかった妻からの提案でした。
ルールが適用されるようになってから、Mさんの財布から次々と百円玉が消えていき、貯金箱が重くなる一方でした。
Mさんは「今までどれだけ『面倒くさい』という言葉を使っていたのか」と振り返り、自分のマイナス言葉の多さを深く反省しました。
誰もが持つであろう(面倒くさい)という心は、積極的な行動の妨げとなります。だからこそ、心を切り替えて、即行動に移すことが大切なのです。
積極的にチャレンジしていくための心づくりをしていきましょう。
24.09.13
『裂かれた書類』
中堅社員のNさんは、仕事が速いことで有名です。ところが後始末が苦手で、机の上はいつも書類で埋め尽くされています。
月末の業務で忙しかった時のことです。Nさんは重要な契約書類を誤ってシュレッダーにかけてしまいました。停止ボタンを押して引っ張り出した時には、半分以上が裁断されていたのです。
顔面蒼白になったNさんは、すぐに上司に報告しました。すると「君の机の上は整理整頓されておらず、どれが重要書類なのかも不明だ。机上が散乱した状態は、君の頭の中が混乱している証拠である」と叱責されたのです。
(机上の乱れが心の乱れとなって招いたミスなんだ)と気づかされたNさん。自分の怠惰な姿勢が、周囲に大きな迷惑をかけてしまったと反省したのでした。
忙しくなると心が乱れ、状況が見えなくなりがちです。そのような時こそ心に余裕を持ち、意識的に整理整頓を心がけましょう。
性根を据えた後始末や清掃が、心の乱れを整えてくれるはずです。
24.09.12
『マニュアルを超えた働き』
Uさん夫婦が昼食の際にレストランを利用した時のことです。
店内は清潔感に溢れ、料理の味と価格も非常に満足のいくものでした。二人の会話も弾み、気分良く店を後にしました。
帰りの道中も、自然と会話の中心はレストランのことになりました。その中でUさんの妻が、次のような話をしたのです。
「あなた、気づいていたかしら。ウエイターさんは途中からあなたが左利きであることに気づいて、その後の料理に添えられるスプーンやフォークは、気を利かせて、すべて左側に置いていたのよ」
妻の話を聞いて、Uさんはそのレストランに惚れ直しました。マニュアルを守ることは職業人として必要です。しかし時には、マニュアルを超えた判断や行動が求められる時があるでしょう。
マニュアルを超えた働きには、相手の側に喜びや感動が伴います。「相手をもてなす心」を頭に置いて、お客様に新鮮な驚きを提供したいものです。
24.09.11
『浴場での挨拶』
M氏は温泉旅館に到着し、さっそく大浴場へと向かいました。
男湯の大浴場は誰も入っていません。体を洗っていると、体格の良い若者が一人入ってきました。M氏はすぐに「こんばんは」と挨拶をしました。
雰囲気から察して、元気のいい返事が返ってくるかと思っていました。ところが、その若者はボソッと「こんばんは…」と不思議そうに返事をするだけでした。
そしてM氏のところに近づき、「もしかしてホテルの方ですか」と尋ねてきたのです。改めて話を聞くと、「挨拶は知り合い同士がするもので、あかの他人には挨拶をしないものだ」と思っていたというのです。
「挨拶は誠の先手」です。家庭や職場などで、誰よりも先に挨拶ができているでしょうか。挨拶に「誰々からするもの」という決まりはありません。
良き人間関係を築くために、先手の挨拶は最大の武器です。それを知っている人は、この武器を最大限に活用します。誰しもが良き人間関係を望んでいるのですから、使わない手はありません。場所を選ばないのも特長といえるでしょう。
24.09.10
『冷水の如し』
活力朝礼は、社内のチームワークを高め、社員一人ひとりのモラルアップを図る場として有効です。
ところが、参加者の意識が「やらされている」という方向に向かい、仕方なしに嫌々やっているとすれば、それはもう活力ある朝礼とは呼べません。
冬の寒い朝、冷水で顔を洗うことを、ためらう場合があります。しかし、そのためらいを断ち切って顔を洗うと、全身に清々しさが漲ってきます。そして(よし、今日もやるぞ!)と心を決めることができるのです。
前向きな心で一日のスタートを切るのは、気持ちのよいものです。その意味では、活力朝礼は「厳寒の冷水(げんかんのれいすい)」のようであるといえるのかもしれません。
プラス思考によって良き習慣を身につけた社員が、自発的に社内朝礼の内容に工夫を凝らし始めると、次第に会社の雰囲気に影響が現れてくるものです。
「やらされている」という意識から「やるぞ」へと転換して朝礼に参加しましょう。そして今日一日「よし、やるぞ!」という心で業務に臨みましょう。
24.09.09
『物忘れ』
Aさんは最近、ずいぶんと忘れっぽくなっています。会ったばかりの人の名前を忘れたり、何を取りに行ったのかを忘れてしまったりするのです。
人間の脳の記憶は、すぐに消えてしまうか、あるいは早いタイミングで非常に思い出しにくくなるようです。すべての物事を覚えている必要はないからです。
あるベテランの医師は、物忘れの相談に訪れた患者に対し、「一定の年齢になれば脳の衰えは隠せません。私だって物忘れはあります。大切なのは、重要で大切な事柄だけは忘れないよう、努めて意識することですよ。」と励まします。
記憶をある一定のレベルまで保つには、どうしたらよいでしょうか。もともとがすぐに消えやすいものであるなら、それなりの対応が必要となります。
物忘れの度合いが過ぎる場合は、もちろん専門医の処方が必要でしょう。しかしまずはメモをとるなど、「記録」の範囲での改善をしたいものです。
さらにいえば、周囲への感謝の念は、記憶を留める有効策と考えられるでしょう。人や物に対する感謝は、対象への記憶を強くしてくれるのです。
24.09.08
『休日返上』
R社では新施設のオープンに合わせて、記念式典を行うことになりました。
式典当日の準備は、通常の業務と並行しながら、社員全体で進めていきました。Nさんの所属する部署でも、式典の成功に向けて一丸となっていました。
式典二日前の日曜日、順調に準備を終えたこともあり、予定通り全員が休日となりました。ところが日曜日当日、進路を変えた台風が施設周辺を直撃することになったのです。
Nさんは式典会場が心配で、台風直撃の直前に、車で職場に向かいました。すでに上司が到着しており、「休日に働く連帯感はいいな」と笑い合いました。その後、数人のメンバーで防災対策を無事に終えたのでした。
帰宅すると、自宅の駐車場には木が倒れていました。Nさんは車を使って会社に出向いたため、車が押しつぶされることを免れたのです。
「連帯感はいいな」という上司の言葉を思い出すと共に、積極的な働きをしたことで、目に見えない力に助けられたと実感したNさんでした。
24.09.07
『日常の再点検』
「生年百に満たず、常に千歳の憂いを懐く」と続く漢詩文があります。
「人の一生は百年に満たないものの、その中で千年もかかるような難題や悩みに、人はいつもこころを向けて挑戦している」という意味と理解されます。
日立製作所会長の河村隆 氏は、この詩を「目先の成果ばかりを追わず、時間のかかる根源的な研究開発にも対処せよ、という解釈をして、後輩たちは民間会社としてはやや異例な基礎研究重視のよすがにもしている」と語ります。
同社では、その精神を「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」という企業理念に込めているそうです。
売上を伸ばし、利益を上げることは、企業の最大の使命です。しかし目先の利益に目を奪われ、改善工夫が疎かにされると、厳しい環境を生き抜くことができません。そして製品サービスも、いずれは陳腐化していきます。
日常を再点検することは、そのまま業務の研究に通じます。それによる改善・工夫は、いわば開発に相当します。足元の業務を見つめ直したいものです。
24.09.06
『魅力のある声』
自分がどのような声でお客様と話しているのか。皆さんは気にかけたことがあるでしょうか。電話応対を業務にしているコールセンターなどでは、相手に自分の笑顔で見えるような「笑声(えごえ)」で話すことを心がけているそうです。
本来の読みである笑声(しょうせい)と読むと、笑い声そのものを示す別の意味となります。笑声(えごえ)は造語で、正しい日本語とはいえませんが、味わい深い言葉です。身につければ相手に好印象を与える魅力の一つとなるでしょう。
声に一番影響を与えるのは、その時の気持ちです。声にはその時の心の状態が映し出されるからです。イライラしていたり不満が溜まっていると、どうしても声に悪影響が及び、相手に不快感を与えかねません。
澄み切った明朗な心であれば、顔の表情も明るくなり、自然と声も明るくなります。自分も相手も、気持ちよく会話を進めることができるでしょう。
いつも明るい心を保つのは簡単ではありませんが、心がけることは可能です。今日も笑顔と笑声(えごえ)で、お客様や周囲の人々に向き合いたいものです。
24.09.05
『見方の違い』
A子さんが長女夫婦のマンションに遊びに行った時のことです。
A子さんと長女が話に夢中になっていると、婿がすっと立ち上がりベランダに向かい、洗濯物を取り込み始めました。その姿を見て「素晴らしいご主人ね」とA子さんは言いました。
翌週、A子さんは長男夫婦のところへ出かけました。すると息子がすっと立ち上がり、ベランダの洗濯物を取り込み始めました。それを見たA子さんは心の中で呟きました。(何てひどい嫁なんだろう。息子にこんなことまでさせて!)
帰路につきながらA子さんは、二組の夫婦の光景を思い浮かべました。冷静になると、婿も息子も洗濯物を取り込む行為に違いはありません。「同じ行動をしているのに、正反対の見方をしてしまった」とA子さんは反省したのです。
ともすると、私たちはその時々の感情や状況にとらわれてしまいます。物事を客観的に見つめ、よりプラスの方向で受け取れる自分でありたいものです。
24.09.04
『窮地を脱して』
年間400件もの心臓手術を実施し、冠動脈バイパス術のスペシャリストといわれているのが、順天堂大学医学部教授の天野篤 氏です。
手術中に緊急事態が生じた際、「周囲がその事態に目がくぎ付けになっても、頭を持ち上げて俯瞰し、もう一人の緊急用の自分が体に指令を出す」と述べます。術時の判断は「経験と知識を総動員して3秒くらいで行なう」というのです。
一般的な職場でも、待ったなしの状況は突然やってきます。経験や知識に加えて、判断力のもととなる「正常心」が欠かせません。それには真っ直ぐな姿勢と深い呼吸が必要です。日頃から意識することで、いざという時に備えましょう。
また、過去に窮地を脱した際の「感動」や「親切」を思い出すのです。私たちは順境より逆境の時に、恩意識が深まることが多くあります。自分は一人でここまで来たのではないと謙虚になり、そして人の情けに気づくからです。
受けた恩に感謝の心を刻むか、不平を重ねるかによって、人の判断力は大きく違ってきます。視野の広さとプラス思考を、恩意識によって磨いていきましょう。
24.09.03
『最強の応援団』
今までの慣れた仕事から、新しい担当への異動後に(自分はこれから大丈夫だろうか?)(私の力はこの程度だったのか?)と思うことがあります。
仕事でも家庭でも社会でも、思ってもいないことが起きるのが世の中です。そのような時には、与えられた状況から逃げるよりも、まずは静かに自分の今の姿に思いを巡らせてみましょう。
多くの人との関係、そして身の回りの事柄に心を向けてみると、今、生きていられるのは自分の力だけではないと気づきます。この感謝の気づきが「お陰様で」という心を芽生えさせ、未来への気力を充実させてくれるのです。
『感謝は最強の応援団』だといわれます。それは自己の内面から込み上げてくる真摯なエネルギーです。感謝の思いが心に浮かんできたなら、たとえ小声でもかまいません。「ありがとう」と声に出してみましょう。
24.09.02
『あと一人』
今年のプロ野球の交流戦で、読売ジャイアンツの杉内投手が東北楽天イーグルスを相手に、四球1つだけというノーヒットノーランを達成しました。9回ツーアウトまで一人のランナーも出さず、あと一人で完全試合というところで、四球を与えてしまったのです。
杉内投手は試合後のインタビューで「完全試合をできればよかったけれど、勝つことが重要。無責任に真ん中に投げるよりは、コースに投げて四球のほうがいいと思った」と語りました。
「3ボール・2ストライク」の状況では、一か八かで、ど真ん中に投げるという選択肢はあったかもしれません。しかし、最後まで厳しく狙いを定めた投球には、チームの勝利を最優先した姿勢が表れていました。
厳しい条件下での仕事は、私たちの職場でも少なくありません。大雑把な判断や思いつきで仕事をしていると、想定外のミスや事故が起こり得ます。楽を求めないていないな姿勢こそが、最善の結果に繋がると心しましょう。
24.09.01
『企業の定義』
新入社員の皆さんが、将来に希望を託して入社してから、半年を迎えようとしています。配属された各部門で、懸命に職務に取り組んでいることでしょう。
企業とは、「社会的責任を永続的に果たすことを目的とし、役割を分担して一つの目標に向かい、利益を生み出していく集団」と辞書には定義されています。企業人としての共通認識を持ち、心構えを確立していくことが求められるのです。
経営理念や経営方針は、経営者の心得の集大成です。明確に理解できているでしょうか。社員全員で繰り返し学び、理解を深め、共感し合って日々徹底することが大切です。
経営理念は、知っていればいいというものではありません。会社が存続していく原点として、仕事の拠り所にしていくものなのです。また、社会人としてのマナー、職場の決めごと、仕事の進め方などの基本的な事項を徹底しましょう。
働ける今に喜びと誇りを持ち、与えられた仕事に対して、常に真剣に取り組んでいきたいものです。